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学校だより

部活動による成長と学校における働き方改革

先日は那須地区新人体育大会各種大会に多くの御声援をいただきありがとうございました。それぞれの部活動ごとに目標を立て、新チームになって精いっぱい努力してきました。自分たちの目標に届いた部も届かなかった部もその過程を大切にし、チームとして・個人としての振り返り(リフレクション)を行い、次の行動(アクション)につなげてほしいです。その繰り返しが、チームを・自分を成長させていく原動力になっていきます。また、そういう子供たちの姿を見ることで、大きな感動とエネルギーをもらっています。

さて、そのような部活動について、国は令和5年度から令和7年度までを「改革推進期間」と位置付け、地域の実情に応じて、まずは休日の部活動の地域移行を段階的に進めていくこと等を提言しています。那須町では、国のガイドライン・県の方針を踏まえて、昨年度末から部活動地域移行のための検討会を開催して協議を行っています。本校では、部活動による成長と学校における働き方改革を進めていくために、新旧生徒会執行部と協議を行ってきました。その内容をお知らせします。

文部科学省から「学校における働き方改革に関する取組の徹底について」が通知され、本校では「勤務時間を考慮した時間の設定」について、「生徒の登校(始業)時間と下校時間は、勤務時間内に設定する」ことに近づけられるよう取組を進めていきます。ちなみに教職員の勤務時間は8:00~16:30です。具体的には、放課後の部活動や行事等の取組で、下校時間が勤務時間を大きく超えて設定されている状況に着目し、生徒の下校時間が11月からスクールバス1便16:45になることから、原則として火木の2日を特別日課にして、放課後の部活動時間を確保します。その取組を11~12月の2ケ月間試行し、その後、新生徒会執行部と次年度(令和7年度)の日課について協議を行う予定です。その結果を受けて、次年度(令和7年度)は、月金:スクールバス2便(4~10月)での部活動・火木:スクールバス1便(通年で16:45)のみでの部活動・水:部活動休止日(これまで通り)を予定しております。

行政との連携を図りながら、本校で今やれることを、徐々に進めたいと考えているところです。保護者の皆様には、これまで同様、御理解と御協力をよろしくお願いいたします。これからも那須中生の「日々成長」を全力で応援していきます。

旅行的行事で「成長」を実感。「自己決定」の場が成長の機会に。

本校の教育目標の一つ「自律」。どうすれば「自律」を育む事ができるのでしょうか?もちろん子供一人一人成長のスピードや伸びるポイントに違いがあるので、あくまで一般的な話ですが、一つは、いかに子供に考えさせ、判断をさせる機会を与えるかです。子供の前に選択肢があると大人は、つい子供に答えを指示してしまったり、間違わない仕組みを求めたりしがちですが、これが続くと指示待ちの子になる恐れがあります。次に大事なのは子供が出した答えが間違っていたとしても、即全否定せずに何が間違っているのか一緒に考えなおす姿勢です。また、正解を出したり、やり遂げたりした時は、しっかりと、その事を褒めたり認めてあげたりする事で次の自信につながり「自律」の心が備わりやすくなるのではと考えられます。

3年生の修学旅行・2年生の東京自主研修、旅行的行事では、事前の準備から子供自身に考えさせ、判断させる機会を意図的に作ってきました。当日の活動の中でも、子供たちを信じて委ね、「自己決定」の場を意識してきました。京都での班別行動、最終日の学級別行動。上野公園からの班別行動、専門学校に行った後には、さらにチームが分かれて思い思いの場所で時間を過ごし、上野に集合したときの達成感。先生方が子供たちを信じて委ね、子供たち同士も仲間を信じてかけがえのない時間を過ごすことができました。もちろん自分自身の力も信じて。私自身、3年生の子供たちと寝食を共にして、改めて子供たちの「成長」を実感しました。3日間大変お世話になりました。また、子供たちを送り出す準備をしていただきありがとうございました。子供たちを信じて委ねること、そして「自己決定」の場をつくることを御家庭でもよろしくお願いします。

学校生活の中で、一人一人が「日々成長」していけるよう先生方と力を合わせていきます。今後とも御理解と御協力をよろしくお願いします。

それぞれが目指した景色「全校防災&クリーン登山」・・・

夏休みに入る3日前、7/17(水)に全校防災&クリーン登山を行う予定でした。昨年度は、全校生で茶臼岳登山をしましたが、今年度は学年ごとに目指す場所を変えました。1年生は茶臼岳登山、2年生はひょうたん池と姥が平、3年生は南月山登山。それぞれが目指した景色で、お互いに声を掛け合い歩き通したことでの達成感や満足感を感じることができる日となったはずでしたが、天候不順(降雨と発雷確率が高く)で中止といたしました。多くの保護者の方にも参加していただく予定でしたので重ねて残念でした。ただ、子供たちは、確実に「日々成長」してきています。HPでもお知らせしましたが、学年代表スピーチでは、それぞれの学年で仲間とともに成長できていることについて具体的に話していました。特に、3年代表からは、部活動への思いにも触れ、これから立ち向かわなくてはならない受験に向けて、仲間へのポジティブな投げかけもありました。大変頼もしく感じました。今年度の企画を来年度は実行できるよう、那須山岳会の方とも協力しながら、また保護者の皆様のお力もお借りしながら那須岳の自然を体感するプログラムを計画していきたいと考えています。引き続きの御理解と御協力をお願いいたします。


・・・7月26日から8月11日まで、フランス・パリで開催されたパリオリンピックでは、ブレイキンなど4つの追加競技を含む32競技329種目が実施されました。連日の熱戦に見入っていた方も多いかと思われます。

バレーボール女子日本代表のキャプテン、古賀紗理那選手がパリオリンピックを最後に現役を引退すると発表しました。これは7/9、古賀選手が自身のSNSで発表しました。古賀選手は自身のSNSに「パリオリンピック2024をもちまして現役を引退することにしました。小学2年生からバレーボールを始め、“もっとバレーボールが上手くなりたい!”の一心で皆様の力を借りながら28歳まで続けることができました。全ての経験と出会いが今の私を作ってくれました。本当に感謝しています。パリオリンピックにバレーボール人生の全てを懸けて戦います」などと投稿し、パリ大会を最後に現役から退くことを明らかにしました。

自分の目標に向かって取り組む姿勢・覚悟に対して、大いに学ぶところがありました。結果がどうあれこれまで積み重ねてきた過程は変わらないし、その過程のなかに大事なものがいくつもありました。オリンピックでは、これまで以上にバレーボールが女子も男子も注目されました。古賀選手をはじめ、男子の石川選手や西田選手など、チームと共に成長し、目標を達成しようとする姿は、本校が目指すところでもあります。オリンピックを通して感じたことを子供たちや先生方にも伝えていきたいと考えています。

子供自身が考える学びの充実

新しい学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善が求められています。授業が子供たちにとって、「主体的な学び」になっているか・「対話的な学び」になっているか・「深い学び」になっているかという視点から、授業をよりよくしていくことが私たち教師には求められています。

その中で、本校では学習委員会を中心に授業の時間が子供たち自身にとってどのような学びの場となっているのかを検証してくれています。下記は、5月8日に実施した生徒総会時の学習委員会発表資料です。

 

 本校の2本柱である「シラバスとフォーサイト」の取組をさらに進化させてくれています。この後の全校集会(6/19実施)では、振り返りの時間がしっかりと確保されているのかを全教科で確認し、その取組が自分たちの学びにとってどのようにつながっているのかを全校生に対してアンケート調査をとってくれました。シラバスを活用して身に付いたことの自由記述では以下のようなことが書かれています。

 振り返る力が身に付いた。授業でわからなかったところを思い出せて復習できた。物事を振り返る。

 しっかり振り返ってそれを家で確認して勉強をすることが身についた。ワークをやる習慣がついた。

 忘れ物をしない。家でやることが決まった。授業の内容を振り返り、改善点や重要な所を見つける。

 自分のミスがだいぶわかるようになった。勉強の振り返りをつける習慣が身についた。

 ワークをどこまで進めれば良いか分かるようになった。今後どのようにするかを考えること。

 授業の振り返りをシラバスに書いたことによって、ノートがまとめやすくなった。

 小学校の時と比べてその時の振り返りができている。一個一個振り返ることができた。

 ノートをまとめやすくなり、授業後の内容も考えられるようになった。 など

振り返りの質が高まり、学びに向かう力・人間力が格段と高くなってきています。その子供たちの成長に合わせて、授業が子供たち自身が考える学びを深めるものとなっているのかを今後も検討していき、学習委員会の子供たちの力を借りながら目指す授業を探っていければと考えています。

間もなく38日間の夏休みに入ります。これまでの自分をポジティブに振り返り、さらに「日々成長」していけるような期間にしてくれることを願っています。

那須中学校区小中一貫教育の取組

小中一貫教育のねらいは、小・中学校9年間の学び(学習面)と育ち(生活面)の連続性を重視することによる、児童生徒の学習意欲の向上と、いわゆる「中1ギャップ」の解消です。そのためには、教職員が子供たちの成長を9年間にわたり支える意識を高めることがとても重要になってきます。また、中学校区の目指す児童生徒像や重点目標を設定、共有し取り組むことによって、確かな学力と豊かな心の育成での効果が期待できます。

児童が小学校から中学校へ進学する際に、新しい環境での学習や生活に移行する段階で、いじめや不登校等が増加するいわゆる中1ギャップが指摘されることがあります。文部科学省の調査では、「学習上の悩み」として「上手な勉強の仕方がわからない」と回答する児童生徒や「不登校児童生徒数」が中学校1年生で大幅に増える実態が明らかになっています。また、各種の調査によると、「授業の理解度」「教科や活動の時間の好き嫌い」について、中学生になると肯定的な回答をする生徒の割合が下がる傾向にあります。

そこで、那須中学校区では、今年度から「自律的に学ぶ力の育成」を目指して、学習指導・生徒指導・健康安全指導・特別支援教育の4つの部会で取り組んでいきます。具体的には、学習指導では、中学校で行っている「シラバスとフォーサイト」の取組を小学校版で検討していきます。また、中学校英語科担当教員が小学校に出向いての出前授業を実施する予定です。生徒指導では、「安心して生活できる学級の雰囲気作り」や「自律した生活態度の育成」を中心に、「那須町人間関係プログラム」の改訂にも取り組みます。那須中学校区版人間関係プログラムの作成を目指します。荻原OT(※作業療法士)からの研修会も計画しています。※作業療法士は、体と心のリハビリテーションの専門家です。健康安全指導部では、引き続き「基本的生活習慣の定着」、特に「歯の健康」に力を入れていきます。また、心の健康を目指して、ストレスマネジメントの育成にも取り組んでいきます。特別支援教育では、合理的配慮に基づいた授業に取り組み、学校での生活環境のユニバーサルデザイン化や支援方法の共通理解を全職員で行っていきます。

那須中学校区の子供たちが、「日々成長」していけるよう3小学校と力を合わせて取り組んでまいります。引き続きの御理解と御協力をよろしくお願いいたします。

成長をうながす「シラバスとフォーサイト」

本校は、「自律的に学ぶ力の育成~シラバスを使っての振り返りとフォーサイト手帳の取組」を学校課題研究として、昨年度栃木県連合教育会から指定を受けました。シラバスは、5教科を中心に毎時間の授業内容の振り返りをタブレット端末を使って学習履歴を残し、学習の進め方を自ら調整していくことを目指しています。フォーサイト(foresight「展望」)手帳は、「PDCAサイクルを回す力」が自然に身に付く手帳です。この手帳を活用して、子供たちの夢への展望を広げていければと考えています。

新学習指導要領で、育成すべき資質・能力の1つに挙げられている「学びに向かう力、人間性等」。変化の激しいこれからの時代では、生涯に渡って自律的に学ぶ力がますます重要になってきます。自律的に学ぶ力を育成するためには、見通し・学び深める・振り返りの3つのステップを循環的に行っていくことが求められます。そのサイクルを確立するためには、どのような取組が有効となるのか。シラバスを使っての振り返りとフォーサイト手帳の取組から探ってきました。

新年度の4月、53名の新入生が入っていよいよ学習がスタートしました。1年生にとって「シラバスとフォーサイト」は初めてですので、各教科でのていねいな説明はもちろんのこと、帰りの会の10分間のフォーサイト手帳の記入の際には、3年生がサポートに入ってくれました。(学校HP4/23でも紹介)2年生と3年生は昨年度の取組をもとに、どのようにしていくのが自分を成長させていくのかを考えた取組がなされています。特に、最終学年となった3年生のスタートダッシュは素晴らしく、頑張りすぎを心配してしまうぐらいです。

子供たちが主体的に学ぶためには、先生から言われたことを言われたとおりにするだけでは不十分です。学習者自身がメタ認知※を働かせて、自分の学び方を問い直し、よりよいものにしていく能動的スタンスが必要です。

※メタ認知・・・自分の思考や行動を客観的に把握し認識する力

私たちはVUCAと称される変動性・不確実性・複雑性・曖昧性の高い世界に生きていますが、今後はさらに予測困難な時代になっていくと思われます。こうした世界では、従来の学力観は通用しません。もちろん基礎的な学力は大事ですが、それに加えより広い視野で物事を捉え、多様な立場や考えを尊重しながら挑戦していかなければならないのです。本校の教育目標「自律・創造・共生」もこれからの時代をたくましく生き抜く力を養っていくという思いを込めて、令和3年度に変更しました。「日々成長」を合言葉に、子供たちと共に成長し続けていきますので、引き続きの御支援をよろしくお願いいたします。

日々成長を実感

校庭の桜もあっという間に若葉の季節となりました。新年度の生活も2週間を過ぎ、緊張気味であった子供たちの表情も、日に日に柔らかく明るさと輝きを見せ始めています。 先日は大変御多用の中、年度当初の授業参観・PTA総会・後援会総会・学年部会保護者会に御参加頂き、ありがとうございました。学年主任から学年作りの方針を伝え、担任からも説明があったと思います。保護者の皆様からも御意見を伺うことで、今年度の《共育》がスタートされたことと感じております。ありがとうございます。 PTA総会の時にもお話ししましたが、「みんなが『成長』できる那須中学校」~日々成長~①子供が「成長」する学校 ②教職員が「成長」する学校 ③保護者・地域も「成長」する学校を目指していきたいと考えております。2週間という学校生活の中でも、すでに子供たちの「日々成長」を実感することができています。4月3日(水)、新年度がスタートし、初めての部活動の日に、生徒会執行部が主催して部活動ごとに校舎内外のトイレ掃除と校庭西側側溝の泥上げを行いました。芳香剤も素敵な香りのものが設置され、新年度、新入生を迎えて、校舎内のトイレの臭いがなく気持ちよく学校生活がスタートできています。「人が環境をつくり、環境が人をつくる」、成長するために必要な環境を整えてくれました。

次に、4月10日(水)の5時間目に行われた新入生歓迎会では、平山生徒会長のあいさつから始まって、那須中学校の学習・生活・専門委員会・学校行事について、分かりやすく生徒会執行部が説明してくれました。その後の部活動紹介も各部共に工夫が素晴らしく、新入生も楽しみながらそれぞれの部の雰囲気を味わえたことと思います。3年間真剣に取り組み、自分自身を成長させてくれる部活動、本校では生徒主体の取組となっています。那須町でも地域移行検討のための協議会と検討会が立ち上がり、小中学校の部活動の地域移行について話し合いが始まっています。この後、方向性等、協議された内容については、随時皆様にお知らせいたします。あわせて、主役である子供たちにもしっかりと伝えていきたいと考えています。

そして、4月16日(火)・17日(水)の宿泊学習での1年生の取組です。2日目の「焼き板づくり」を見学に行きましたが、一人一人が自分の思いを形にすべく集中して作品作りに取り組んでいました。施設の方からも挨拶と話の聞き方が素晴らしいとお褒めの言葉をいただきました。

これからも様々な教育活動を通して、「日々成長」を目指していきます。

入学・進級おめでとうございます。

校庭の桜は間もなく咲き始め、いよいよ春本番、新年度のスタートとなりました。新たな希望や決意、心地よい緊張感や感激、それらの新鮮な気持ちに胸弾ませて、輝くような笑顔と明るく弾む声で登校した子供たちが、新年度のスタートラインに立ちました。1年生のみなさん御入学おめでとうございます。2年生・3年生のみなさん進級おめでとうございます。1年生53名を迎え、全校生169名、8学級で令和6年度がスタートしました。本校職員も5名の新たな教職員を迎え、ONEチームで子供たちの成長を支えていきます。

私は、本校3年目となる戸村一郎(とむらいちろう)と申します。私は、「みんなが『成長』できる那須中学校」を目指して、めざす学校の姿を「子供たちが『成長』する学校、教職員が『成長』する学校、保護者・地域も『成長』する学校」、「日々成長」を合言葉に、今目の前にいる子供たち、そしてその御家族、地域の皆様が、10年後、それ以降の未来も笑顔で過ごせるような力を、子供たちに学校で育むことに責任をもちたいと考えています。引き続き、保護者・地域の皆様の御理解・御協力をよろしくお願いいたします。

昨日まで新しかったことが明日には古くなってしまうなど、科学や技術の進歩のスピードは想像以上に速く、社会の仕組みもどんどん複雑になっていきます。今話題の「ChatGPT」や「Stable Diffusion」などの「生成AI」が社会を激変させると言われています。そのような中で、子供たちは成長していきます。そのような社会を生き抜く子供たち、無限の可能性を秘めている子供たちが、夢や希望を持って21世紀をたくましく、たのもしく、生き抜くことができるよう「那須中での学び」を進めてまいります。その子のよさを見つける、よさを伸ばす、そしてよりよい成長の後押しをする、という「子供を主語に」が学びのコンセプトです。  

昨年5/8(月)に新型コロナの感染症法上の位置付けが5類に移行し、コロナ禍から日常の生活に戻ってきています。1年生は恒例の宿泊学習が4/16(火)~17(水)に行われます。4/19(金)には授業参観・PTA総会・後援会総会・学年部会があります。スポーツフェスティバル5/18(土)も、多くの皆様に学校に足を運んでいただく機会となります。本校の教育活動に御理解・御支援をいただきたくお願い申し上げます。

進級おめでとうございます。「日々成長」ための取組を継続発展。

令和5年度「みんなが『成長』できる那須中学校」を目指す学校として、「日々成長」を合い言葉に1年間取り組んできました。子供たち自身のがんばりと保護者、地域の皆様の御支援のおかげで大きな成長を確認できる1年となりました。

3月9日の卒業式では、49名の卒業生を送り出しました。そのときの在校生代表、渡辺桃衣さんの送辞の一部を紹介します。

送辞一部抜粋

今、皆さんは喜びと寂しさで胸がいっぱいになられていることと思います。三年前那須中学校に入学し、数多くの思い出を作ってこられた三年生の皆さんは今未来に向かって新しい道に進もうとされています。私達も先輩方と過ごして来た日々が今、鮮やかによみがえってきます。先輩方はどんな行事にも仲間と共に一生懸命取り組み、盛り上げてくださいました。

スポーツフェスティバルでは、朱雀と青龍それぞれが勝利を目指し学年関係なく一致団結して戦いました。戦いの中での先輩方の強い絆や喜び合って笑う姿はとても印象的でした。

心を一つにして、クラスみんなで歌い上げた文化祭。自分達の想いを語る少年の主張や英語スピーチ。そして、みんなで笑い合った有志発表。どれもが私達在校生にとって忘れられない思い出になりました。

部活動では汗を流し、時には涙を流し、一生懸命練習に取り組む先輩方の姿から、本気になることの大切さを教えていただきました。最後の大会やコンクールを笑顔で迎えられた部活動もあれば悔し涙をのんだ部活動もあったでしょう。しかし、目標に向けて互いにアドバイスをし合い、真剣な表情で練習に取り組む先輩方の姿から、私たちは、仲間と切磋琢磨することの大切さを学びました。努力をし続けた先輩方はとても輝いていました。先輩方が見せてくださった喜びや悲しみの姿は、今でも私達の胸に留まり続け、忘れることはありません。先輩方を目標とし、追い付き追い越せるよう努力を続け成長して参ります。

先輩方と過ごした今日までの二年間。私達は先輩方のように、何事にも一所懸命取り組み、後輩に慕われる人になりたいとその大きな背中を必死に追いかけて来ました。まだまだ未熟な私達ですが『那須中の伝統』というタスキを今受け取りました。このタスキの重みをしっかりと感じながら『日々成長』できる那須中生として、その役目を果たしていきます。

次に先輩方を待っているのは、高校生活や社会に出ての生活といった新たな環境でのスタートです。そこには喜びや驚き、それと同じくらいの不安や苦労があることでしょう。しかし、私達をまとめ、様々な苦難を乗り越えた先輩方ならそれらの困難を突破し、新しい環境で輝き続けることだろうと信じています。心から尊敬している先輩方のさらなるご活躍と、輝かしい未来を願っています。先輩方本当にありがとうございました。

しっかりと卒業生からのバトンを受け取ることができました。

「日々成長」のための取組を継続発展させていきます。引き続きの御支援と御協力をお願いいたします。

御卒業おめでとうございます。これからの未来に幸多きことを願って。

本校第9回卒業式、卒業生代表筒井森太郎さんの答辞、校長式辞の一文を抜粋し紹介します。

答辞一部抜粋 

在校生の皆さん。今までありがとう。皆さんのサポートがあったからこそ、私たちはここにいます。皆さんとの思い出は私たちにとってかけがえのない思い出です。私たちが皆さんに教えてあげられたこと以上に、私たちは皆さんからたくさんのことを教わりました。一年生は、4月から先輩となり、後輩のお手本となります。立派な姿を見せられるように、部活も勉強も頑張ってください。二年生は、最上級生となり、学校の顔になります。受験勉強や、修学旅行、部活では最後の大会・コンクール……たくさんのことが待ち構えているでしょう。リーダーとして、学校を引っ張って行ってください。これからの活躍を期待しています。

私達の学校生活を支え、導いてくださった校長先生。諸先生方。いつも、優しく、頼もしく、時には叱ってくださったりもしました。悩み事があった時には親身になって相談に乗ってくださり、勉強や部活動で、一生懸命サポートしてくださいました。私たちが楽しく学校生活を過ごすことができたのは、いつもの私たちを温かく見守ってくださった先生方のおかげです。先生方は私たちが成長するためにたくさんのチャンスをくださいました。前向きに私たちを指導する様子は、私たちのことを本気で思っていてくれていたのだと実感しています。先生方から教わったことはきっと忘れません。私たちは先生からそのことを励みに、これからの人生、立派に歩んでいきたいと思います。

そして、私を支えてくれている家族。これまでの15年間、いつも温かく見守り、支えてくれてありがとうございました。八つ当たりをしてしまったり、迷惑をかけてしまったり、我儘を言ったこともありましたよね。ですが、辛いときにはそばにいて、話は何でも聞いてくれました。深い愛情に包まれて育てられてきました。どんなに無口で、愛想をついたように見えても、私たちは感謝の気持ちを忘れたことはひとときもありません。私は、お母さんとお父さんの子供であって、本当に嬉しく思います。これから先、まだまだ教わり、まだまだ成長していきます。これからも迷惑かけて困らせてしまうと思います。私からも恩返しができるように、そして尊敬する両親や祖父母のような人になれるように頑張っていきたいと思います。

そして、3年間、ともに歩んできた仲間たち。みんなとの大切な日々も今日で終わります。どんなに涙を流して嫌がっても、誰かに頼んでも、戻ることはできません。しかし、そんなふうに思えたのは、今まで、みんなと過ごせたからです。今日という日を待ち望んでいたと言うと嘘になりますが、この学校でみんなと出会い、3年間を共に過ごし、そして今日、ともにこの学校を卒業できることを嬉しく思います。この中学校生活は、きっと、私の人生の宝物になるでしょう。母校、那須中学校の思い出、たくさんの人への感謝を胸に、夢へ向かって羽ばたいてください。

式辞一部抜粋

自分自身で決めた進路、その道は様々ですが、未知の世界に対する不安や緊張感を、「自分で道を切り開いていくんだ」という高揚感に変えて羽ばたいてほしいのです。そこで、そのために心がけて欲しいお願いが二つあります。

一つは、「日々成長」の気持ちを持ち続けてください。自分自身としっかりと向き合い、昨日の自分よりも一つでも成長できるように、ものごとをポジティブにとらえていくことが大切です。そして、「言霊」という言葉があるように、言葉には良くも悪くも発した通りの結果をもたらす力があるとされます。マインドを正しい方向へ変えるためには、自分に対しても周りに対してもポジティブな言葉をかけることが重要です。

もう一つは、「失敗は成功の基」という言葉のとおり、何事にも失敗を恐れずにチャレンジしてください。失敗から学ぶには、失敗を成功へのプロセスだと考え、チャレンジを続けることが大切です。アップル社の共同設立者スティーブ・ジョブズ氏は、「終着点は重要じゃない。旅の途中でどれだけ楽しいことをやりとげているかが大事なんだ」という名言を残しています。成功のために失敗から学ぶという四字熟語「試行錯誤」で台頭した成功者の一人です。失敗とは、成功に必要な知識を体感・実感するためのプロセスと考え、これからも「試行錯誤」を続けていってください。

御卒業おめでとうございます。卒業生49名の未来に幸多きことを願っています。

1月行く、2月逃げる、3月去る・・・『大谷翔平の思考法』から

昨年度は、目標達成に向けて手本となる大谷翔平選手の「目標達成シート(マンダラート)」を紹介しました。今回は、2度目の右ひじの手術を行いながら、移籍先のドジャースのキャンプでは、屋外打撃練習でスタンドに何本もボールを運び、周りの不安を払拭しました。大谷選手は、常に「できない」を「できる」に変えることを継続して行ってきています。どのような考え方(思考法)で、困難なことを可能にしてきたのでしょうか。書籍『大谷翔平の思考法』(児玉光雄著)を読んで考えたことをお伝えします。

まずは、「大きな夢は小さな目標の総量である」ということ。大きな目標よりも小さな目標を着実に一つずつクリアすることにやりがいを見出すことが大切です。1年先の目標よりも日々の目標を完璧にこなすことに全力を尽くすことです。日々の練習の中で行っていることについて、大谷選手はこう語っています。

「いくつかのパターンの中で、これがいいのか、あれがいいのか、あれがいいのかを1日に一つだけ、試していく。一気に二つはやりません。で、これはよかった、こっちはどうだったと、毎回、試していく感じです。それを毎日、ipadに書き留めています」(『雑誌ナンバー2020.5.21号』文藝春秋)

大谷選手であっても日々の小さな満足感や充実感を大事にしてきたから偉大なメジャーリーガーにまで昇り詰めることができたのです。一流の人たちの共通点は、小さな進化にとても敏感で、それをやり甲斐にして着実に進化していくことです。一方、多くの人々は、努力の見返りをできるだけ早く得ようとしています。そして行動しても、その結果がすぐに表れないと、簡単に行動を止めてしまうのです。

次に、今「ポジティブ心理学」が注目されています。この世に生を受けたあなたに与えられた時間をいかに幸福感を持って過ごすか?これは誰にとっても、とても重要です。そのヒントを大谷選手は私たちに教えてくれます。大谷選手ほどポジティブ思考の持ち主はなかなか見当たりません。あるとき、大谷選手はこう語っています。

「良くても悪くても、どんどん変えていくっていうのは良いところじゃないかなと思いますね。まあ、すごくいい状態のときでも、それを維持していこうというよりも、それを超える技術をもう一つ試してみようかなと思う。挑戦してみようかなというマインドがあるのは、得なところだと思います」(『道ひらく、海わたる大谷翔平の素顔』扶桑社)

多くの人々が「ポジティブ思考」とは、物事の良い面だけを見て楽観的になることと考えています。しかし、それは明らかに間違っています。真のポジティブ思考とは、「物事をありのままに受け止めて、それをより良くするために全身全霊をかけてベストを尽くすこと」なのです。

最後に、「好奇心を膨らませて積極的に行動を起こそう」です。試行回数を増やすことが成功に着実に近づく強力な要素です。そのことについて、大谷選手はこう語っています。

「やればやるだけ洗練されていくものだと思うので・・・そこは数をこなしていくのが大事なのではなくて、数をこなす分、よかった、悪かった、の回数が増えていくことで、それがより洗練されていくことにつながっていくんだと思います。数が決まっているとそこまで辿り着けなかったり、自分が思うスイングができなかったりということが出てきてしまいますから・・・」(『雑誌ナンバー2019.6.27号』文藝春秋)

人生における夢の実現は、「描いた夢の数ではなく、あなたの行動の数で決まる」です。

「一年の計は元旦にあり」本年もよろしくお願いいたします。

冬休み明け全校集会(オンライン)で生徒に伝えたことをお知らせします。

はじめに、この度の令和6年能登半島地震により被害を受けられた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。被災地域の皆様の安全と一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。

改めて、新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

皆さんは、「一年の計は元旦にあり」という言葉を知っていますか。「一年の計は元旦にあり」の意味は、新しい年の計画は、年初めの元旦にきちんとたてなさい。ということです。そして、なにかを始める時には、計画をきちんと立てる必要があるということです。皆さんは、この令和6年(2024年)をどのように過ごしていこうかと計画を立てたでしょうか。私は、20歳の時から続けている年始めのルーティーンがあります。30年以上続けています。元旦にランニングを行い、1月2日には箱根駅伝の往路スタートと大学ラグビー準決勝を観戦しています。コロナ禍で行けていなかった箱根駅伝、4年ぶりに箱根駅伝のスタートを見てから、国立競技場で大学ラグビーの準決勝を観戦しました。そして、今年自分が取り組むべきことを「手帳」に書くようにしています。今年もこのルーティーンを行い、2024年がスタートしています。

3年生の皆さんは、進路に向けて具体的な努力目標、「入試に向けてこういう計画で学習していこう。こんなふうに生活していこう。」ということを考え、スタートしていることと思いますし、4月からの新しい生活では「こんなことをしたい」という夢を持てていると思います。

1・2年生の皆さんは、どうですか。今の学年をどのように締めくくるか、そして進級してからの新しい学年では、どのような計画で、充実した学年にしていくか、考えていますか。「まだ計画など立てていない」人は、どんな1年にしたいか思い描いてください。思い描くだけでは、何も変わりませんので、それに向かって何をどのようにするかという具体的な計画を立ててください。そして、計画したこと、やろうとしたことを少しずつ実践し始めてください。そうすれば、あなたのこれからの成長が、とても楽しみになります。

最後に、那須中学校「日々成長」の取組が注目されています。那須地区教育の概要という先生方の本の中には、那須中の校則の見直し(ルールメイキング)の記事が掲載されています。また、先月の学校だよりでも紹介しましたが、シラバスとフォーサイトの取組については、栃木県連合教育会から指定を受けて研究を進めています。

ひとり一人の成長が、那須中学校を大きく成長させてくれています。2024年が、皆さんそれぞれにとって、また那須中学校にとって、よい年になることを祈念します。 

昨年は、地域ボランティアの実施、ルールメイキング(校則の見直し)の取組、一人一人が主役となった文化祭、水曜講座での新たな可能性の発見と、生徒の「日々成長」を身近に感じることができ、2年目の校長として大変幸せな一年となりました。多くの皆さんの支えがあり、豊かなかかわりの中で生徒は成長してきています。その成長を止めることなく、さらに加速していけるように、教職員一丸となって新年度も取り組んで参ります。御理解と御支援を引き続きよろしくお願いいたします。

2本柱「シラバスとフォーサイト」の成果

5月号で本校の2つの柱、自己管理ノート「Foresight(フォーサイト)手帳」と授業内のねらいと振り返りの徹底を目的とする「シラバス」の紹介をしました。本校は今年度、「自律的に学ぶ力の育成~シラバスを使っての振り返りとフォーサイト手帳の取組」を学校課題研究として、栃木県連合教育会から指定を受け取り組んでいます。

新学習指導要領で、育成すべき資質・能力の1つに挙げられている「学びに向かう力、人間性等」。変化の激しいこれからの時代では、生涯に渡って自律的に学ぶ力がますます重要になってきます。自律的に学ぶ力を育成するためには、見通し・学び深める・振り返りの3つのステップを循環的に行っていくことが求められます。そのサイクルを確立するためには、どのような取組が有効となるのか。シラバスを使っての振り返りとフォーサイト手帳の取組から探っていくこととしました。

すべての教科において、タブレット端末でスプレットシートへの振り返りを行い、シラバスとして学校全体で取り組んできています。シラバスを活用することで、本単元本時の授業の見通しを持つことができ、課題に対してどのように取り組んでいくかを意識し、その方法を習得することで今後の課題に対して解決していくことができるようになってきました。積み重ねていくことで、主体的に学ぶことができるようになり、学力の定着、向上が期待できます。振り返りは、今日の授業で何がわかったか、分からなかったか、どんな課題にどんな風に向き合ったか、試行錯誤したか、こんな力が必要だと感じたなど具体的に書くことが大切です。

フォーサイト手帳の取組では、日々の学習管理能力の向上に向けて、お昼時間を5分短縮し、終学活で手帳を書く時間を10分程度作ってきています。終学活では持ち物や提出物の確認と、「帰宅後~翌朝までにやること」を記入させ、家では手帳を開いてチェックできる状態で管理するように指導してきました。

まだ始まったばかりですが、これまでの取組によって、振り返りに書かれる言葉が「~はできたが、〇〇はよく理解できない。」など、自分の理解度を言語化できるようになってきました。また、「家では~など」授業と家庭学習につながりが見られる生徒が増えてきました。さらに、空き時間をどう活用していくかを考えられるようになった生徒が増えてきました。終学活で手帳を書く時間をしっかり設けたことで、放課後何を勉強するか書けるようになったり、自由時間の使い方も自分で考えるようになったり、一人ひとりの自己管理力が上がってきています。

私たちが教育で目指すのは、教師が言ったからやるのではなく、将来、生徒が自分で考えて判断して、正しい行動をとれる力が身についている生徒を育成することにあります。たった5分でも毎時間継続し、単元の振り返りを行うことでメタ認知ができる生徒を育てていきたいと考えています。

※メタ認知・・・自分の認知活動を客観的にとらえる、

      つまり、自らの認知(考える・感じる・記憶する・判断するなど)を認知すること」です。

実りの秋・・・チャレンジし続けた先のブレイクスルー(突破)

10月28日(土)、統合した那須中学校として9回目の文化祭。昨年度よりも座席の数を増やして多くの観客の皆様をお迎えして、子供たちの生き生きとした活動ぶりを披露することができました。午前は文化的な発表や有志での発表の機会、午後はクラス合唱、合唱部の素晴らしい歌声が体育館中に響き渡りました。昨年度からさらにスケールアップした発表や合唱、これまで積み上げてきたものが良い方向だったということが確認できた場面でもありました。1年生にとっては初めての文化祭。大いに楽しみ、先輩方のパフォーマンスに圧倒された場面もあったことと思います。先輩方の姿を目標にし、これからも日々成長していってくれることと思います。学校に来て楽しかったと感じる、仲間と充実した時間を共有できた実感、そんな思いをつくることが学校にとっては大事だと考えています。午前中の有志発表の場にも多くの生徒がチャレンジしていました。昨年度からの引き続きで、元生徒会長の筒井森太郎さんは幕間を盛り上げる一発芸を披露しました。その活動が大いに文化祭を盛り上げました。授業だけでは見られない生徒の様子を見ることができて、新たな一面を発見しました。きっと、私と同じ思いをもたれた保護者の方も多かったのではないかと思います。まさに学び多き・実りの秋となりました。来年度の文化祭に今年度の成果を引き継いでいってくれると思います。

私が尊敬する教育者である岩出雅之さん(元帝京大学ラグビー部監督)の言葉を再度紹介します。「結果を出す人間が一流ではない。結果ではなく、倒れてもすぐ立ち上がれる人間こそが一流なんだ。大切なのは結果ではなくプロセスなのだ。失敗はよいことなのだ。ミスはポジティブなものだ。成長していけば自ずと結果はついてくる。すると今度は自然と失敗したくなる。究極的には失敗が好きになる。」

いろいろな場面でチャレンジする子が多くなってきています。失敗を恐れるのではなく、失敗することで成長できるとポジティブに考え、これからも多くのことにチャレンジし、自分の可能性を広げていってくれることを期待しています。

また、11月13日(月)から17日(金)には2年生のマイチャレンジ(職場体験学習)がありました。昨年度の3日間のマイチャレンジ・職場体験学習から5日間へ期間を通常通りに戻しての活動となりました。39の事業所の皆様に御協力いただき実施することができました。中学校の教育活動で、大きな役割を担ってきた職場体験学習を行うことができて大変うれしく思いました。各事業所での活動で、自分自身の新たな一面を発見する機会となったと思います。この機会を通して、自分自身が変わるターニングポイントとなることにも大きな期待を寄せています。経済産業省では、2006年に「社会人基礎力」を提唱しています。「社会人基礎力」とは、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されており、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」としています。

●前に踏み出す力(アクション)  ~一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力

●考え抜く力(シンキング)    ~疑問を持ち、考え抜く力

●チームで働く力(チームワーク) ~多様な人々とともに、目標に向けて協力する力

中学校教育で「生きる力」を身に付け、社会で通用する教育を進めていけるよう今後も努力していきます。

6校時のカット、「魅力ある学校」目指しての取組

学習指導要領、学校教育法施行規則で定められている標準時数は1年間で1015時間です。35週×29時間(週当たり)というのが標準時数になっています。本校では、今年度1100時間を越える時数を予定していました。感染症や自然災害に備え、子供たちに確かな学力を育むことから教育課程を編成(時間割を作成)していました。今年度4月21日付に文部科学省からの「教育課程の編成・実施状況調査の結果について」で、次の3点について対応する旨の連絡が入りました。

1.各学校の指導体制に見合った授業時数を設定する必要があること。

2.災害や流行性疾患による学級閉鎖等の不測の事態に備えることのみを過剰に意識して標準時数を大幅に上回って教育課程を編成する必要はないこと。

3.教育課程の実施に当たって学校における働き方改革に配慮した対応を検討することが重要であること。

前期10月までの子供たちの「日々成長」学力の向上と11月から下校便であるスクールバスが16:45の1本になることから5時間目までの授業実施とし、その後、1・2年生は部活動、3年生は入試に向けた学習会を予定していきます。各教科の学習進度から、11月から2月の期間で6時間目をカットしても、年度末には各教科履修する内容が終了することを確認しています。校長は、教育課程を決める第一義的な責任者です。授業時数を決めるに当たって、まずは子供たちの学力をしっかりつけること、子供たちの資質能力をしっかりつけること、そして、教職員の働き方改革という視点も重要であると考えています。1・2年生は部活動の時間がしっかりと確保されます。自分たちで目標とする姿目指して、日々の取組をより充実したものにしてくれると信じています。また、そこを後押しできるような部活動指導を先生方にはお願いしていきます。また、3年生の入試に向けた学習会では、目的意識の高い子供たちが仲間と共に学び合うことでさらに飛躍的に学力が伸びると思います。

6校時のカットは「魅力ある学校」目指しての取組となります。保護者の皆様には、これまで同様、御理解と御協力をよろしくお願いいたします。これからも那須中生の「日々成長」を全力で応援していきます。

旅行的行事で「成長」を実感。成長の源は「信じる力」。

バスケットボール日本代表が見事パリオリンピックの切符を手にしました。テレビの前で手に汗握った方も多いと思います。私も漫画『SLAM DUNK』以来、バスケットボールに夢中になりました。ゲーム展開だけでなく、日本代表監督であるトム・ホーバスヘッドコーチ(HC)にも注目していました。ホーバスHCは「自分のことを信じるよう」に口に出して、発言させたそうです。言葉には魂が宿るといわれています。今大会に向けた合宿の初日のミーティングで、このような言葉を口に出せるかを選手に問いかけてきたそうです。4年前のW杯で32カ国中31位だった日本が、わずか12カ国しか出場できない五輪の出場権を勝ち取れた理由はただ1つ。選手たちが自分たちのことを信じられたことにあります。そして、それを促したのは「自分を信じてください」と言い続け「BELIEVE」という言葉を合言葉のように使い続けたホーバスHCの信念だったと思います。

3年生の修学旅行・2年生の東京自主研修、旅行的行事での「成長」を実感しました。旅行的行事における「学び」は、通常授業の延長として事前事後学習を行い、その過程で生徒の「主体性」を育むことが重要です。そのためには、子供たちを信じて委ねることも大切です。今年の3年生・2年生ともに子供たちを信じて、委ねるところがたくさんありました。京都での班別行動、タクシーだけでなく午後には公共交通機関を使っての活動を取り入れました。最終日にも半日のタクシー班別行動。上野公園からの班別行動、専門学校に行った後には、さらにチームが分かれて思い思いの場所で時間を過ごし、いくつかのグループは予定を少しオーバーしての上野集合。そのことも想定してバスの駐車時間や出発時間を設定していました。先生方が子供たちを信じて委ね、子供たち同士も仲間を信じてかけがえのない時間を過ごすことができました。もちろん自分自身の力も信じて。私自身、3年生の子供たちと寝食を共にして、改めて子供たちの「成長」を実感しました。3日間大変お世話になりました。また、子供たちを送り出す準備をしていただきありがとうございました。子供たちを信じて委ねること、御家庭でもよろしくお願いします。

学校生活の中で、一人一人が「日々成長」していけるよう先生方と力を合わせていきます。今後とも御理解と御協力をよろしくお願いします。

「全校防災&クリーン登山」から得たものと・・・

夏休みに入る前日、7/20(木)晴天の中、全校生で茶臼岳に登ってきました。コロナ禍以前には、町内の小学校や保育園でも登山を行っていました。子供たちにとって久しぶりの地元・茶臼岳登山。今回は、活火山である那須岳で火山防災教育を実地で学び、仲間と共にクリーン活動を通して改めて自然を再発見することを目的として行いました。普段とは違う景色に見慣れぬ動植物との出会いなど非日常に感動し、肉体の疲労と暑い寒いといった肉体へのストレスに戸惑いながらも、自分の限界点が伸びる実感と頂上に到達する達成感は汗を流す実体験からしか得ることはできません。生き物として基本である歩行を通じて心身のバランスが整っていくという実感も感じることができたと思います。那須山岳会の方のガイドと協力していただいた保護者のお力のおかげで一人一人が多くのことを感じることができました。ありがとうございました。来年度以降も那須岳の自然を体感するプログラムを計画していきたいと考えています。引き続きの御理解と御協力をお願いいたします。

・・・「小田凱人(おだときと)」さんを知っていますか。9歳で左脚に骨肉腫を発症し、左脚の股関節と大腿骨の一部を切除、そして人工関節に置き換える手術をして車椅子生活となります。夢だったサッカー選手をあきらめることになります。その後、車いすテニスプレイヤーの国枝慎吾さんを見てから、サッカーではなくこれから歩む道を「車いすテニスの世界一」と決めました。しかしその道のりは簡単なものではなく、今まで2度肺にがんが転移したこともあり、4か月に1度の検査は欠かせない状況なのです。それでも前を向く小田さんは、「うまくいかないのが普通だと思うし、そこでくじけてしまうという選択肢はない。」と語っています。10歳から車いすを始めて、7年で世界1位を達成。このスピードで夢をかなえたことについては、「7年前から目標だった夢というのは、何ひとつ変わってない。そのころからグランドスラムの優勝と世界ランキング1位というのは常にモットーにしながらがんばっていた。当時から、『世界一になれる』と思って行動していましたし、『世界一ならこういうプレーをするだろう』『こういう活動をするだろう』というのを常に想像しながらやっていた。ようやく目指していたところにたどり着いた。7歳の自分に声をかけるなら『自分らしさを大切にがんばって』と話すと思います」と。全仏でグランドスラムを獲得した翌日、パリのシンボルである凱旋門を初めて訪問し、名前の「ときと」の由来になった凱旋門は「かっこよかった」と言い、スマホの待ち受けにしているそうです。大谷翔平選手と小田凱人選手、自分の目標に向かって取り組む姿勢に共通するものを感じます。2人から多くのことを学び感じたことを、学校で子供たちに話していけたらと考えています。

失敗は成功の入り口

私が尊敬する教育者の一人、元帝京大学ラグビー部岩出雅之監督。著書で「逆境を楽しむ力」から伝えたい内容があります。「失敗は成功の入り口」の部分を以下に引用します。

「ただ、苦しさのまっただ中にある時は、プラス面になかなか気づけないものです。特に10代や20代前半では、まだ精神的に幼い部分があるので、どうしても目の前にある苦しさばかりが見えて、貴重な体験がわからないのですが、それは若さゆえで仕方がないことです。多少失敗したと思っても、『この体験は将来、財産になる』と信じて、あまりくよくよしないでください。若い人たちには、普段から失敗を前向きに受け止めるトレーニングをしておくことをお勧めしたい。本当にだめな失敗というものは実は少なくて、失敗のほとんどには『学び』があります。『失敗は成功の入り口』なのです。2022年1月、大学ラグビー選手権の決勝戦では、私は選手たちにこんな言葉を伝えました。『1年間やってきたことを、この試合で全て出し切ってほしい。プレーをしていたらミスをするかもしれない。イライラして集中力が低下することもある。そんな時ほどポジティブになろう。失敗は必ず成功の入り口になる。失敗は、次にチャンスが来る合図だ』失敗しても前を見て進もうという願いを込めて話しました。試合中に後悔していたら、あっという間に時間が経過して終わってしまいます。人生も振り返ってみたら、『若い時代』はとても短い。その時は長く感じても、振り返ると一瞬の短い出来事のように思える日が必ず来ます。だから、悲観的に考えすぎず、苦しい時だからこそ、不安の多い時だからこそ、マイナス面に目を奪われず、『失敗は成功の入り口』と、発想を根本からポジティブに持っていってほしいと思います。」

間もなく38日間の夏休みに入ります。これまでの自分をポジティブに振り返り、さらに「日々成長」していけるような期間にしてくれることを願っています。

生徒を主語とする学校経営

学校は、そこに通う全ての生徒の豊かな学びや育ちを保障する場所です。そこでは、生徒たちの「将来の幸せ」につながる支援や指導を行うとともに、日々の学校生活を通じて生徒一人一人が「今の幸せ」を感じられる場所となることが大切です。

日本が1994年に批准した子供の権利条約では、「子供の最善の利益の尊重」が、重要な原則の一つとして揚げられていいます(第3条)。これは、子供に関することを決める際には、(その)子供にとって何が最も大切なのかを第一に考えるということです。そのため同条約では、子供の意見の尊重もあわせて重要な原則として掲げており(第12条)、子供に関することは子供の意見も聴いて決めることを求めています。昨年度、生徒会執行部が「生徒全員が過ごしやすり学校」目指してルールメイキング(校則の見直し)を行ってきました。生徒たちにとって今の学校はどのようであり、何を感じているのか。生徒たちは学ぶ意味を感じられているのか、学校生活は幸せなものになっているのか。そうした生徒たちの視点や声を大切にした学校づくりに心がけてきました。

大切にしたいこととして第一に、多様な生徒の声を聴き、参加の機会を保障することです。生徒の声や意見は一枚岩ではありません。同じ学級・学校にいる生徒でも、学校生活の経験や感じ方はそれぞれ異なります。小さな声やすくい上げられにくい声の中に、埋もれている課題があるかもしれません。そうした聴かれにくい/排除されやすい声にも意識を向けながら、様々な生徒の声に耳を傾け、多様な生徒が参加できる機会を用意していくことが大切です。

第二に、子供の声を聴く大人の側の姿勢です。無意識のうちに子供の声を都合よく解釈したり、都合の良い意見ばかり耳を傾けたりしていないか。子供の声を聴くということは、大人の予定調和の範囲内で聴くということではなく、ときに大人の側も変われるかも問われます。もちろん、生徒の意見が常に正しいとは限らないし、全て反映しなくてはならないということでありません。生徒と教員、子供と大人それぞれの視点を大切にしながら、一緒に考えていくという関係こそ大切にしたいことです。子供と大人は、学校や社会をともに作っていくパートナーです。引き続き、「生徒を主語にした那須中学校」を子供たちと力を合わせてつくっていきます。

※筑波大学人間系教育学域 古田雄一助教「生徒を主語とする学校経営~生徒の声や参加を大切にした学校づくり~」より一部引用

今年度の2本柱「シラバスとフォーサイト」

本校の2つの柱について紹介します。今年度、自己管理ノート「Foresight(フォーサイト)手帳」と授業内のねらいと振り返りの徹底を目的とする「シラバス」の2本の柱で進めています。「Foresight手帳」については、これまでの教科連絡やその日の感想、教員との交換ノートのような形式をやめ、自己管理型のPDCAサイクルを生徒一人一人が回せるようにすることをねらいとして3年前より導入し、昨年度から帰りの会を5分延長し、記入時間を十分に確保するなど強化に努めています。自分で決めた目標に向かって、計画的に学習し、成果がどうであったか確認することで、自分自身を自分で理解でき、次の目標設定、計画にも主体的に臨めると考えています。また、予測困難な時代と言われている昨今の社会を考えても、この先を生き抜いていくためには当然必要不可欠な力と言えます。「シラバス」については、毎時間、毎単元で生徒自身がどんな力をつけたか、あるいはつけられなかったかを理解することが、「学びに向かう力、人間性」の中で言われる「粘り強い取組」(本時の授業で工夫した点や試行錯誤した点)と「学習を調整しようとする側」(次回の授業でどうしたいのか、家庭学習はどんな風にすべきか、今後の指針について考える)につながると考え、生徒の力はもちろん、教師の確かな評価にもつながると考えています。シラバスについては、全校でタブレット端末の「classroom」を用いて実施し、学習履歴(スタディ・ログ)を残すことで、学習の進め方(学習計画、学習方法、自己評価等)を自ら調整していくことができます。

「Foresight手帳」については、昨年度、2年生(現3年生)が「Foresight手帳」を運営する会社内のコンテストに応募し、有名私立、全国の高校などの中から唯一の最優秀賞を受賞しました。その生徒が1年時には「正直何を書いたら良いか分からなかったが、2年途中から自分なりの答えが出せた」と話すなど、長期的な成果が見え始め、今年度は4月の1年生の帰りの会に3年生が書き方を教えに行くなど、学校全体としても前に進み出しています。「シラバス」について、振り返りの文言に「~できた」だけでなく、「~できなかったので、○○な学習をしていきたい」という言葉が出てくるなど、自分を正確に捉え、前向きに学習する様子が見え始めています。また、ICT機器を活用していることで、振り返ったものを、教師は職員室で評価に、生徒は家庭で家庭学習に結ぶ付けられています。もちろん、無くす生徒もいないため、蓄積ができます。

2つの柱での取組が、生徒を「自考動型人材※」への導いてくれると確信しています。全職員で子供たち一人一人の「日々成長」に繋げていきたいと考えています。 ※自考動型人材・・・二ノ丸友幸先生の講話の中で出てきた言葉です。