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学校だより

日々成長を実感

校庭の桜もあっという間に若葉の季節となりました。新年度の生活も2週間を過ぎ、緊張気味であった子供たちの表情も、日に日に柔らかく明るさと輝きを見せ始めています。 先日は大変御多用の中、年度当初の授業参観・PTA総会・後援会総会・学年部会保護者会に御参加頂き、ありがとうございました。学年主任から学年作りの方針を伝え、担任からも説明があったと思います。保護者の皆様からも御意見を伺うことで、今年度の《共育》がスタートされたことと感じております。ありがとうございます。 PTA総会の時にもお話ししましたが、「みんなが『成長』できる那須中学校」~日々成長~①子供が「成長」する学校 ②教職員が「成長」する学校 ③保護者・地域も「成長」する学校を目指していきたいと考えております。2週間という学校生活の中でも、すでに子供たちの「日々成長」を実感することができています。4月3日(水)、新年度がスタートし、初めての部活動の日に、生徒会執行部が主催して部活動ごとに校舎内外のトイレ掃除と校庭西側側溝の泥上げを行いました。芳香剤も素敵な香りのものが設置され、新年度、新入生を迎えて、校舎内のトイレの臭いがなく気持ちよく学校生活がスタートできています。「人が環境をつくり、環境が人をつくる」、成長するために必要な環境を整えてくれました。

次に、4月10日(水)の5時間目に行われた新入生歓迎会では、平山生徒会長のあいさつから始まって、那須中学校の学習・生活・専門委員会・学校行事について、分かりやすく生徒会執行部が説明してくれました。その後の部活動紹介も各部共に工夫が素晴らしく、新入生も楽しみながらそれぞれの部の雰囲気を味わえたことと思います。3年間真剣に取り組み、自分自身を成長させてくれる部活動、本校では生徒主体の取組となっています。那須町でも地域移行検討のための協議会と検討会が立ち上がり、小中学校の部活動の地域移行について話し合いが始まっています。この後、方向性等、協議された内容については、随時皆様にお知らせいたします。あわせて、主役である子供たちにもしっかりと伝えていきたいと考えています。

そして、4月16日(火)・17日(水)の宿泊学習での1年生の取組です。2日目の「焼き板づくり」を見学に行きましたが、一人一人が自分の思いを形にすべく集中して作品作りに取り組んでいました。施設の方からも挨拶と話の聞き方が素晴らしいとお褒めの言葉をいただきました。

これからも様々な教育活動を通して、「日々成長」を目指していきます。

入学・進級おめでとうございます。

校庭の桜は間もなく咲き始め、いよいよ春本番、新年度のスタートとなりました。新たな希望や決意、心地よい緊張感や感激、それらの新鮮な気持ちに胸弾ませて、輝くような笑顔と明るく弾む声で登校した子供たちが、新年度のスタートラインに立ちました。1年生のみなさん御入学おめでとうございます。2年生・3年生のみなさん進級おめでとうございます。1年生53名を迎え、全校生169名、8学級で令和6年度がスタートしました。本校職員も5名の新たな教職員を迎え、ONEチームで子供たちの成長を支えていきます。

私は、本校3年目となる戸村一郎(とむらいちろう)と申します。私は、「みんなが『成長』できる那須中学校」を目指して、めざす学校の姿を「子供たちが『成長』する学校、教職員が『成長』する学校、保護者・地域も『成長』する学校」、「日々成長」を合言葉に、今目の前にいる子供たち、そしてその御家族、地域の皆様が、10年後、それ以降の未来も笑顔で過ごせるような力を、子供たちに学校で育むことに責任をもちたいと考えています。引き続き、保護者・地域の皆様の御理解・御協力をよろしくお願いいたします。

昨日まで新しかったことが明日には古くなってしまうなど、科学や技術の進歩のスピードは想像以上に速く、社会の仕組みもどんどん複雑になっていきます。今話題の「ChatGPT」や「Stable Diffusion」などの「生成AI」が社会を激変させると言われています。そのような中で、子供たちは成長していきます。そのような社会を生き抜く子供たち、無限の可能性を秘めている子供たちが、夢や希望を持って21世紀をたくましく、たのもしく、生き抜くことができるよう「那須中での学び」を進めてまいります。その子のよさを見つける、よさを伸ばす、そしてよりよい成長の後押しをする、という「子供を主語に」が学びのコンセプトです。  

昨年5/8(月)に新型コロナの感染症法上の位置付けが5類に移行し、コロナ禍から日常の生活に戻ってきています。1年生は恒例の宿泊学習が4/16(火)~17(水)に行われます。4/19(金)には授業参観・PTA総会・後援会総会・学年部会があります。スポーツフェスティバル5/18(土)も、多くの皆様に学校に足を運んでいただく機会となります。本校の教育活動に御理解・御支援をいただきたくお願い申し上げます。

進級おめでとうございます。「日々成長」ための取組を継続発展。

令和5年度「みんなが『成長』できる那須中学校」を目指す学校として、「日々成長」を合い言葉に1年間取り組んできました。子供たち自身のがんばりと保護者、地域の皆様の御支援のおかげで大きな成長を確認できる1年となりました。

3月9日の卒業式では、49名の卒業生を送り出しました。そのときの在校生代表、渡辺桃衣さんの送辞の一部を紹介します。

送辞一部抜粋

今、皆さんは喜びと寂しさで胸がいっぱいになられていることと思います。三年前那須中学校に入学し、数多くの思い出を作ってこられた三年生の皆さんは今未来に向かって新しい道に進もうとされています。私達も先輩方と過ごして来た日々が今、鮮やかによみがえってきます。先輩方はどんな行事にも仲間と共に一生懸命取り組み、盛り上げてくださいました。

スポーツフェスティバルでは、朱雀と青龍それぞれが勝利を目指し学年関係なく一致団結して戦いました。戦いの中での先輩方の強い絆や喜び合って笑う姿はとても印象的でした。

心を一つにして、クラスみんなで歌い上げた文化祭。自分達の想いを語る少年の主張や英語スピーチ。そして、みんなで笑い合った有志発表。どれもが私達在校生にとって忘れられない思い出になりました。

部活動では汗を流し、時には涙を流し、一生懸命練習に取り組む先輩方の姿から、本気になることの大切さを教えていただきました。最後の大会やコンクールを笑顔で迎えられた部活動もあれば悔し涙をのんだ部活動もあったでしょう。しかし、目標に向けて互いにアドバイスをし合い、真剣な表情で練習に取り組む先輩方の姿から、私たちは、仲間と切磋琢磨することの大切さを学びました。努力をし続けた先輩方はとても輝いていました。先輩方が見せてくださった喜びや悲しみの姿は、今でも私達の胸に留まり続け、忘れることはありません。先輩方を目標とし、追い付き追い越せるよう努力を続け成長して参ります。

先輩方と過ごした今日までの二年間。私達は先輩方のように、何事にも一所懸命取り組み、後輩に慕われる人になりたいとその大きな背中を必死に追いかけて来ました。まだまだ未熟な私達ですが『那須中の伝統』というタスキを今受け取りました。このタスキの重みをしっかりと感じながら『日々成長』できる那須中生として、その役目を果たしていきます。

次に先輩方を待っているのは、高校生活や社会に出ての生活といった新たな環境でのスタートです。そこには喜びや驚き、それと同じくらいの不安や苦労があることでしょう。しかし、私達をまとめ、様々な苦難を乗り越えた先輩方ならそれらの困難を突破し、新しい環境で輝き続けることだろうと信じています。心から尊敬している先輩方のさらなるご活躍と、輝かしい未来を願っています。先輩方本当にありがとうございました。

しっかりと卒業生からのバトンを受け取ることができました。

「日々成長」のための取組を継続発展させていきます。引き続きの御支援と御協力をお願いいたします。

御卒業おめでとうございます。これからの未来に幸多きことを願って。

本校第9回卒業式、卒業生代表筒井森太郎さんの答辞、校長式辞の一文を抜粋し紹介します。

答辞一部抜粋 

在校生の皆さん。今までありがとう。皆さんのサポートがあったからこそ、私たちはここにいます。皆さんとの思い出は私たちにとってかけがえのない思い出です。私たちが皆さんに教えてあげられたこと以上に、私たちは皆さんからたくさんのことを教わりました。一年生は、4月から先輩となり、後輩のお手本となります。立派な姿を見せられるように、部活も勉強も頑張ってください。二年生は、最上級生となり、学校の顔になります。受験勉強や、修学旅行、部活では最後の大会・コンクール……たくさんのことが待ち構えているでしょう。リーダーとして、学校を引っ張って行ってください。これからの活躍を期待しています。

私達の学校生活を支え、導いてくださった校長先生。諸先生方。いつも、優しく、頼もしく、時には叱ってくださったりもしました。悩み事があった時には親身になって相談に乗ってくださり、勉強や部活動で、一生懸命サポートしてくださいました。私たちが楽しく学校生活を過ごすことができたのは、いつもの私たちを温かく見守ってくださった先生方のおかげです。先生方は私たちが成長するためにたくさんのチャンスをくださいました。前向きに私たちを指導する様子は、私たちのことを本気で思っていてくれていたのだと実感しています。先生方から教わったことはきっと忘れません。私たちは先生からそのことを励みに、これからの人生、立派に歩んでいきたいと思います。

そして、私を支えてくれている家族。これまでの15年間、いつも温かく見守り、支えてくれてありがとうございました。八つ当たりをしてしまったり、迷惑をかけてしまったり、我儘を言ったこともありましたよね。ですが、辛いときにはそばにいて、話は何でも聞いてくれました。深い愛情に包まれて育てられてきました。どんなに無口で、愛想をついたように見えても、私たちは感謝の気持ちを忘れたことはひとときもありません。私は、お母さんとお父さんの子供であって、本当に嬉しく思います。これから先、まだまだ教わり、まだまだ成長していきます。これからも迷惑かけて困らせてしまうと思います。私からも恩返しができるように、そして尊敬する両親や祖父母のような人になれるように頑張っていきたいと思います。

そして、3年間、ともに歩んできた仲間たち。みんなとの大切な日々も今日で終わります。どんなに涙を流して嫌がっても、誰かに頼んでも、戻ることはできません。しかし、そんなふうに思えたのは、今まで、みんなと過ごせたからです。今日という日を待ち望んでいたと言うと嘘になりますが、この学校でみんなと出会い、3年間を共に過ごし、そして今日、ともにこの学校を卒業できることを嬉しく思います。この中学校生活は、きっと、私の人生の宝物になるでしょう。母校、那須中学校の思い出、たくさんの人への感謝を胸に、夢へ向かって羽ばたいてください。

式辞一部抜粋

自分自身で決めた進路、その道は様々ですが、未知の世界に対する不安や緊張感を、「自分で道を切り開いていくんだ」という高揚感に変えて羽ばたいてほしいのです。そこで、そのために心がけて欲しいお願いが二つあります。

一つは、「日々成長」の気持ちを持ち続けてください。自分自身としっかりと向き合い、昨日の自分よりも一つでも成長できるように、ものごとをポジティブにとらえていくことが大切です。そして、「言霊」という言葉があるように、言葉には良くも悪くも発した通りの結果をもたらす力があるとされます。マインドを正しい方向へ変えるためには、自分に対しても周りに対してもポジティブな言葉をかけることが重要です。

もう一つは、「失敗は成功の基」という言葉のとおり、何事にも失敗を恐れずにチャレンジしてください。失敗から学ぶには、失敗を成功へのプロセスだと考え、チャレンジを続けることが大切です。アップル社の共同設立者スティーブ・ジョブズ氏は、「終着点は重要じゃない。旅の途中でどれだけ楽しいことをやりとげているかが大事なんだ」という名言を残しています。成功のために失敗から学ぶという四字熟語「試行錯誤」で台頭した成功者の一人です。失敗とは、成功に必要な知識を体感・実感するためのプロセスと考え、これからも「試行錯誤」を続けていってください。

御卒業おめでとうございます。卒業生49名の未来に幸多きことを願っています。

1月行く、2月逃げる、3月去る・・・『大谷翔平の思考法』から

昨年度は、目標達成に向けて手本となる大谷翔平選手の「目標達成シート(マンダラート)」を紹介しました。今回は、2度目の右ひじの手術を行いながら、移籍先のドジャースのキャンプでは、屋外打撃練習でスタンドに何本もボールを運び、周りの不安を払拭しました。大谷選手は、常に「できない」を「できる」に変えることを継続して行ってきています。どのような考え方(思考法)で、困難なことを可能にしてきたのでしょうか。書籍『大谷翔平の思考法』(児玉光雄著)を読んで考えたことをお伝えします。

まずは、「大きな夢は小さな目標の総量である」ということ。大きな目標よりも小さな目標を着実に一つずつクリアすることにやりがいを見出すことが大切です。1年先の目標よりも日々の目標を完璧にこなすことに全力を尽くすことです。日々の練習の中で行っていることについて、大谷選手はこう語っています。

「いくつかのパターンの中で、これがいいのか、あれがいいのか、あれがいいのかを1日に一つだけ、試していく。一気に二つはやりません。で、これはよかった、こっちはどうだったと、毎回、試していく感じです。それを毎日、ipadに書き留めています」(『雑誌ナンバー2020.5.21号』文藝春秋)

大谷選手であっても日々の小さな満足感や充実感を大事にしてきたから偉大なメジャーリーガーにまで昇り詰めることができたのです。一流の人たちの共通点は、小さな進化にとても敏感で、それをやり甲斐にして着実に進化していくことです。一方、多くの人々は、努力の見返りをできるだけ早く得ようとしています。そして行動しても、その結果がすぐに表れないと、簡単に行動を止めてしまうのです。

次に、今「ポジティブ心理学」が注目されています。この世に生を受けたあなたに与えられた時間をいかに幸福感を持って過ごすか?これは誰にとっても、とても重要です。そのヒントを大谷選手は私たちに教えてくれます。大谷選手ほどポジティブ思考の持ち主はなかなか見当たりません。あるとき、大谷選手はこう語っています。

「良くても悪くても、どんどん変えていくっていうのは良いところじゃないかなと思いますね。まあ、すごくいい状態のときでも、それを維持していこうというよりも、それを超える技術をもう一つ試してみようかなと思う。挑戦してみようかなというマインドがあるのは、得なところだと思います」(『道ひらく、海わたる大谷翔平の素顔』扶桑社)

多くの人々が「ポジティブ思考」とは、物事の良い面だけを見て楽観的になることと考えています。しかし、それは明らかに間違っています。真のポジティブ思考とは、「物事をありのままに受け止めて、それをより良くするために全身全霊をかけてベストを尽くすこと」なのです。

最後に、「好奇心を膨らませて積極的に行動を起こそう」です。試行回数を増やすことが成功に着実に近づく強力な要素です。そのことについて、大谷選手はこう語っています。

「やればやるだけ洗練されていくものだと思うので・・・そこは数をこなしていくのが大事なのではなくて、数をこなす分、よかった、悪かった、の回数が増えていくことで、それがより洗練されていくことにつながっていくんだと思います。数が決まっているとそこまで辿り着けなかったり、自分が思うスイングができなかったりということが出てきてしまいますから・・・」(『雑誌ナンバー2019.6.27号』文藝春秋)

人生における夢の実現は、「描いた夢の数ではなく、あなたの行動の数で決まる」です。

「一年の計は元旦にあり」本年もよろしくお願いいたします。

冬休み明け全校集会(オンライン)で生徒に伝えたことをお知らせします。

はじめに、この度の令和6年能登半島地震により被害を受けられた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。被災地域の皆様の安全と一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。

改めて、新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

皆さんは、「一年の計は元旦にあり」という言葉を知っていますか。「一年の計は元旦にあり」の意味は、新しい年の計画は、年初めの元旦にきちんとたてなさい。ということです。そして、なにかを始める時には、計画をきちんと立てる必要があるということです。皆さんは、この令和6年(2024年)をどのように過ごしていこうかと計画を立てたでしょうか。私は、20歳の時から続けている年始めのルーティーンがあります。30年以上続けています。元旦にランニングを行い、1月2日には箱根駅伝の往路スタートと大学ラグビー準決勝を観戦しています。コロナ禍で行けていなかった箱根駅伝、4年ぶりに箱根駅伝のスタートを見てから、国立競技場で大学ラグビーの準決勝を観戦しました。そして、今年自分が取り組むべきことを「手帳」に書くようにしています。今年もこのルーティーンを行い、2024年がスタートしています。

3年生の皆さんは、進路に向けて具体的な努力目標、「入試に向けてこういう計画で学習していこう。こんなふうに生活していこう。」ということを考え、スタートしていることと思いますし、4月からの新しい生活では「こんなことをしたい」という夢を持てていると思います。

1・2年生の皆さんは、どうですか。今の学年をどのように締めくくるか、そして進級してからの新しい学年では、どのような計画で、充実した学年にしていくか、考えていますか。「まだ計画など立てていない」人は、どんな1年にしたいか思い描いてください。思い描くだけでは、何も変わりませんので、それに向かって何をどのようにするかという具体的な計画を立ててください。そして、計画したこと、やろうとしたことを少しずつ実践し始めてください。そうすれば、あなたのこれからの成長が、とても楽しみになります。

最後に、那須中学校「日々成長」の取組が注目されています。那須地区教育の概要という先生方の本の中には、那須中の校則の見直し(ルールメイキング)の記事が掲載されています。また、先月の学校だよりでも紹介しましたが、シラバスとフォーサイトの取組については、栃木県連合教育会から指定を受けて研究を進めています。

ひとり一人の成長が、那須中学校を大きく成長させてくれています。2024年が、皆さんそれぞれにとって、また那須中学校にとって、よい年になることを祈念します。 

昨年は、地域ボランティアの実施、ルールメイキング(校則の見直し)の取組、一人一人が主役となった文化祭、水曜講座での新たな可能性の発見と、生徒の「日々成長」を身近に感じることができ、2年目の校長として大変幸せな一年となりました。多くの皆さんの支えがあり、豊かなかかわりの中で生徒は成長してきています。その成長を止めることなく、さらに加速していけるように、教職員一丸となって新年度も取り組んで参ります。御理解と御支援を引き続きよろしくお願いいたします。

2本柱「シラバスとフォーサイト」の成果

5月号で本校の2つの柱、自己管理ノート「Foresight(フォーサイト)手帳」と授業内のねらいと振り返りの徹底を目的とする「シラバス」の紹介をしました。本校は今年度、「自律的に学ぶ力の育成~シラバスを使っての振り返りとフォーサイト手帳の取組」を学校課題研究として、栃木県連合教育会から指定を受け取り組んでいます。

新学習指導要領で、育成すべき資質・能力の1つに挙げられている「学びに向かう力、人間性等」。変化の激しいこれからの時代では、生涯に渡って自律的に学ぶ力がますます重要になってきます。自律的に学ぶ力を育成するためには、見通し・学び深める・振り返りの3つのステップを循環的に行っていくことが求められます。そのサイクルを確立するためには、どのような取組が有効となるのか。シラバスを使っての振り返りとフォーサイト手帳の取組から探っていくこととしました。

すべての教科において、タブレット端末でスプレットシートへの振り返りを行い、シラバスとして学校全体で取り組んできています。シラバスを活用することで、本単元本時の授業の見通しを持つことができ、課題に対してどのように取り組んでいくかを意識し、その方法を習得することで今後の課題に対して解決していくことができるようになってきました。積み重ねていくことで、主体的に学ぶことができるようになり、学力の定着、向上が期待できます。振り返りは、今日の授業で何がわかったか、分からなかったか、どんな課題にどんな風に向き合ったか、試行錯誤したか、こんな力が必要だと感じたなど具体的に書くことが大切です。

フォーサイト手帳の取組では、日々の学習管理能力の向上に向けて、お昼時間を5分短縮し、終学活で手帳を書く時間を10分程度作ってきています。終学活では持ち物や提出物の確認と、「帰宅後~翌朝までにやること」を記入させ、家では手帳を開いてチェックできる状態で管理するように指導してきました。

まだ始まったばかりですが、これまでの取組によって、振り返りに書かれる言葉が「~はできたが、〇〇はよく理解できない。」など、自分の理解度を言語化できるようになってきました。また、「家では~など」授業と家庭学習につながりが見られる生徒が増えてきました。さらに、空き時間をどう活用していくかを考えられるようになった生徒が増えてきました。終学活で手帳を書く時間をしっかり設けたことで、放課後何を勉強するか書けるようになったり、自由時間の使い方も自分で考えるようになったり、一人ひとりの自己管理力が上がってきています。

私たちが教育で目指すのは、教師が言ったからやるのではなく、将来、生徒が自分で考えて判断して、正しい行動をとれる力が身についている生徒を育成することにあります。たった5分でも毎時間継続し、単元の振り返りを行うことでメタ認知ができる生徒を育てていきたいと考えています。

※メタ認知・・・自分の認知活動を客観的にとらえる、

      つまり、自らの認知(考える・感じる・記憶する・判断するなど)を認知すること」です。

実りの秋・・・チャレンジし続けた先のブレイクスルー(突破)

10月28日(土)、統合した那須中学校として9回目の文化祭。昨年度よりも座席の数を増やして多くの観客の皆様をお迎えして、子供たちの生き生きとした活動ぶりを披露することができました。午前は文化的な発表や有志での発表の機会、午後はクラス合唱、合唱部の素晴らしい歌声が体育館中に響き渡りました。昨年度からさらにスケールアップした発表や合唱、これまで積み上げてきたものが良い方向だったということが確認できた場面でもありました。1年生にとっては初めての文化祭。大いに楽しみ、先輩方のパフォーマンスに圧倒された場面もあったことと思います。先輩方の姿を目標にし、これからも日々成長していってくれることと思います。学校に来て楽しかったと感じる、仲間と充実した時間を共有できた実感、そんな思いをつくることが学校にとっては大事だと考えています。午前中の有志発表の場にも多くの生徒がチャレンジしていました。昨年度からの引き続きで、元生徒会長の筒井森太郎さんは幕間を盛り上げる一発芸を披露しました。その活動が大いに文化祭を盛り上げました。授業だけでは見られない生徒の様子を見ることができて、新たな一面を発見しました。きっと、私と同じ思いをもたれた保護者の方も多かったのではないかと思います。まさに学び多き・実りの秋となりました。来年度の文化祭に今年度の成果を引き継いでいってくれると思います。

私が尊敬する教育者である岩出雅之さん(元帝京大学ラグビー部監督)の言葉を再度紹介します。「結果を出す人間が一流ではない。結果ではなく、倒れてもすぐ立ち上がれる人間こそが一流なんだ。大切なのは結果ではなくプロセスなのだ。失敗はよいことなのだ。ミスはポジティブなものだ。成長していけば自ずと結果はついてくる。すると今度は自然と失敗したくなる。究極的には失敗が好きになる。」

いろいろな場面でチャレンジする子が多くなってきています。失敗を恐れるのではなく、失敗することで成長できるとポジティブに考え、これからも多くのことにチャレンジし、自分の可能性を広げていってくれることを期待しています。

また、11月13日(月)から17日(金)には2年生のマイチャレンジ(職場体験学習)がありました。昨年度の3日間のマイチャレンジ・職場体験学習から5日間へ期間を通常通りに戻しての活動となりました。39の事業所の皆様に御協力いただき実施することができました。中学校の教育活動で、大きな役割を担ってきた職場体験学習を行うことができて大変うれしく思いました。各事業所での活動で、自分自身の新たな一面を発見する機会となったと思います。この機会を通して、自分自身が変わるターニングポイントとなることにも大きな期待を寄せています。経済産業省では、2006年に「社会人基礎力」を提唱しています。「社会人基礎力」とは、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されており、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」としています。

●前に踏み出す力(アクション)  ~一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力

●考え抜く力(シンキング)    ~疑問を持ち、考え抜く力

●チームで働く力(チームワーク) ~多様な人々とともに、目標に向けて協力する力

中学校教育で「生きる力」を身に付け、社会で通用する教育を進めていけるよう今後も努力していきます。

6校時のカット、「魅力ある学校」目指しての取組

学習指導要領、学校教育法施行規則で定められている標準時数は1年間で1015時間です。35週×29時間(週当たり)というのが標準時数になっています。本校では、今年度1100時間を越える時数を予定していました。感染症や自然災害に備え、子供たちに確かな学力を育むことから教育課程を編成(時間割を作成)していました。今年度4月21日付に文部科学省からの「教育課程の編成・実施状況調査の結果について」で、次の3点について対応する旨の連絡が入りました。

1.各学校の指導体制に見合った授業時数を設定する必要があること。

2.災害や流行性疾患による学級閉鎖等の不測の事態に備えることのみを過剰に意識して標準時数を大幅に上回って教育課程を編成する必要はないこと。

3.教育課程の実施に当たって学校における働き方改革に配慮した対応を検討することが重要であること。

前期10月までの子供たちの「日々成長」学力の向上と11月から下校便であるスクールバスが16:45の1本になることから5時間目までの授業実施とし、その後、1・2年生は部活動、3年生は入試に向けた学習会を予定していきます。各教科の学習進度から、11月から2月の期間で6時間目をカットしても、年度末には各教科履修する内容が終了することを確認しています。校長は、教育課程を決める第一義的な責任者です。授業時数を決めるに当たって、まずは子供たちの学力をしっかりつけること、子供たちの資質能力をしっかりつけること、そして、教職員の働き方改革という視点も重要であると考えています。1・2年生は部活動の時間がしっかりと確保されます。自分たちで目標とする姿目指して、日々の取組をより充実したものにしてくれると信じています。また、そこを後押しできるような部活動指導を先生方にはお願いしていきます。また、3年生の入試に向けた学習会では、目的意識の高い子供たちが仲間と共に学び合うことでさらに飛躍的に学力が伸びると思います。

6校時のカットは「魅力ある学校」目指しての取組となります。保護者の皆様には、これまで同様、御理解と御協力をよろしくお願いいたします。これからも那須中生の「日々成長」を全力で応援していきます。

旅行的行事で「成長」を実感。成長の源は「信じる力」。

バスケットボール日本代表が見事パリオリンピックの切符を手にしました。テレビの前で手に汗握った方も多いと思います。私も漫画『SLAM DUNK』以来、バスケットボールに夢中になりました。ゲーム展開だけでなく、日本代表監督であるトム・ホーバスヘッドコーチ(HC)にも注目していました。ホーバスHCは「自分のことを信じるよう」に口に出して、発言させたそうです。言葉には魂が宿るといわれています。今大会に向けた合宿の初日のミーティングで、このような言葉を口に出せるかを選手に問いかけてきたそうです。4年前のW杯で32カ国中31位だった日本が、わずか12カ国しか出場できない五輪の出場権を勝ち取れた理由はただ1つ。選手たちが自分たちのことを信じられたことにあります。そして、それを促したのは「自分を信じてください」と言い続け「BELIEVE」という言葉を合言葉のように使い続けたホーバスHCの信念だったと思います。

3年生の修学旅行・2年生の東京自主研修、旅行的行事での「成長」を実感しました。旅行的行事における「学び」は、通常授業の延長として事前事後学習を行い、その過程で生徒の「主体性」を育むことが重要です。そのためには、子供たちを信じて委ねることも大切です。今年の3年生・2年生ともに子供たちを信じて、委ねるところがたくさんありました。京都での班別行動、タクシーだけでなく午後には公共交通機関を使っての活動を取り入れました。最終日にも半日のタクシー班別行動。上野公園からの班別行動、専門学校に行った後には、さらにチームが分かれて思い思いの場所で時間を過ごし、いくつかのグループは予定を少しオーバーしての上野集合。そのことも想定してバスの駐車時間や出発時間を設定していました。先生方が子供たちを信じて委ね、子供たち同士も仲間を信じてかけがえのない時間を過ごすことができました。もちろん自分自身の力も信じて。私自身、3年生の子供たちと寝食を共にして、改めて子供たちの「成長」を実感しました。3日間大変お世話になりました。また、子供たちを送り出す準備をしていただきありがとうございました。子供たちを信じて委ねること、御家庭でもよろしくお願いします。

学校生活の中で、一人一人が「日々成長」していけるよう先生方と力を合わせていきます。今後とも御理解と御協力をよろしくお願いします。