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学校だより

失敗は成功の入り口

私が尊敬する教育者の一人、元帝京大学ラグビー部岩出雅之監督。著書で「逆境を楽しむ力」から伝えたい内容があります。「失敗は成功の入り口」の部分を以下に引用します。

「ただ、苦しさのまっただ中にある時は、プラス面になかなか気づけないものです。特に10代や20代前半では、まだ精神的に幼い部分があるので、どうしても目の前にある苦しさばかりが見えて、貴重な体験がわからないのですが、それは若さゆえで仕方がないことです。多少失敗したと思っても、『この体験は将来、財産になる』と信じて、あまりくよくよしないでください。若い人たちには、普段から失敗を前向きに受け止めるトレーニングをしておくことをお勧めしたい。本当にだめな失敗というものは実は少なくて、失敗のほとんどには『学び』があります。『失敗は成功の入り口』なのです。2022年1月、大学ラグビー選手権の決勝戦では、私は選手たちにこんな言葉を伝えました。『1年間やってきたことを、この試合で全て出し切ってほしい。プレーをしていたらミスをするかもしれない。イライラして集中力が低下することもある。そんな時ほどポジティブになろう。失敗は必ず成功の入り口になる。失敗は、次にチャンスが来る合図だ』失敗しても前を見て進もうという願いを込めて話しました。試合中に後悔していたら、あっという間に時間が経過して終わってしまいます。人生も振り返ってみたら、『若い時代』はとても短い。その時は長く感じても、振り返ると一瞬の短い出来事のように思える日が必ず来ます。だから、悲観的に考えすぎず、苦しい時だからこそ、不安の多い時だからこそ、マイナス面に目を奪われず、『失敗は成功の入り口』と、発想を根本からポジティブに持っていってほしいと思います。」

間もなく38日間の夏休みに入ります。これまでの自分をポジティブに振り返り、さらに「日々成長」していけるような期間にしてくれることを願っています。

生徒を主語とする学校経営

学校は、そこに通う全ての生徒の豊かな学びや育ちを保障する場所です。そこでは、生徒たちの「将来の幸せ」につながる支援や指導を行うとともに、日々の学校生活を通じて生徒一人一人が「今の幸せ」を感じられる場所となることが大切です。

日本が1994年に批准した子供の権利条約では、「子供の最善の利益の尊重」が、重要な原則の一つとして揚げられていいます(第3条)。これは、子供に関することを決める際には、(その)子供にとって何が最も大切なのかを第一に考えるということです。そのため同条約では、子供の意見の尊重もあわせて重要な原則として掲げており(第12条)、子供に関することは子供の意見も聴いて決めることを求めています。昨年度、生徒会執行部が「生徒全員が過ごしやすり学校」目指してルールメイキング(校則の見直し)を行ってきました。生徒たちにとって今の学校はどのようであり、何を感じているのか。生徒たちは学ぶ意味を感じられているのか、学校生活は幸せなものになっているのか。そうした生徒たちの視点や声を大切にした学校づくりに心がけてきました。

大切にしたいこととして第一に、多様な生徒の声を聴き、参加の機会を保障することです。生徒の声や意見は一枚岩ではありません。同じ学級・学校にいる生徒でも、学校生活の経験や感じ方はそれぞれ異なります。小さな声やすくい上げられにくい声の中に、埋もれている課題があるかもしれません。そうした聴かれにくい/排除されやすい声にも意識を向けながら、様々な生徒の声に耳を傾け、多様な生徒が参加できる機会を用意していくことが大切です。

第二に、子供の声を聴く大人の側の姿勢です。無意識のうちに子供の声を都合よく解釈したり、都合の良い意見ばかり耳を傾けたりしていないか。子供の声を聴くということは、大人の予定調和の範囲内で聴くということではなく、ときに大人の側も変われるかも問われます。もちろん、生徒の意見が常に正しいとは限らないし、全て反映しなくてはならないということでありません。生徒と教員、子供と大人それぞれの視点を大切にしながら、一緒に考えていくという関係こそ大切にしたいことです。子供と大人は、学校や社会をともに作っていくパートナーです。引き続き、「生徒を主語にした那須中学校」を子供たちと力を合わせてつくっていきます。

※筑波大学人間系教育学域 古田雄一助教「生徒を主語とする学校経営~生徒の声や参加を大切にした学校づくり~」より一部引用

今年度の2本柱「シラバスとフォーサイト」

本校の2つの柱について紹介します。今年度、自己管理ノート「Foresight(フォーサイト)手帳」と授業内のねらいと振り返りの徹底を目的とする「シラバス」の2本の柱で進めています。「Foresight手帳」については、これまでの教科連絡やその日の感想、教員との交換ノートのような形式をやめ、自己管理型のPDCAサイクルを生徒一人一人が回せるようにすることをねらいとして3年前より導入し、昨年度から帰りの会を5分延長し、記入時間を十分に確保するなど強化に努めています。自分で決めた目標に向かって、計画的に学習し、成果がどうであったか確認することで、自分自身を自分で理解でき、次の目標設定、計画にも主体的に臨めると考えています。また、予測困難な時代と言われている昨今の社会を考えても、この先を生き抜いていくためには当然必要不可欠な力と言えます。「シラバス」については、毎時間、毎単元で生徒自身がどんな力をつけたか、あるいはつけられなかったかを理解することが、「学びに向かう力、人間性」の中で言われる「粘り強い取組」(本時の授業で工夫した点や試行錯誤した点)と「学習を調整しようとする側」(次回の授業でどうしたいのか、家庭学習はどんな風にすべきか、今後の指針について考える)につながると考え、生徒の力はもちろん、教師の確かな評価にもつながると考えています。シラバスについては、全校でタブレット端末の「classroom」を用いて実施し、学習履歴(スタディ・ログ)を残すことで、学習の進め方(学習計画、学習方法、自己評価等)を自ら調整していくことができます。

「Foresight手帳」については、昨年度、2年生(現3年生)が「Foresight手帳」を運営する会社内のコンテストに応募し、有名私立、全国の高校などの中から唯一の最優秀賞を受賞しました。その生徒が1年時には「正直何を書いたら良いか分からなかったが、2年途中から自分なりの答えが出せた」と話すなど、長期的な成果が見え始め、今年度は4月の1年生の帰りの会に3年生が書き方を教えに行くなど、学校全体としても前に進み出しています。「シラバス」について、振り返りの文言に「~できた」だけでなく、「~できなかったので、○○な学習をしていきたい」という言葉が出てくるなど、自分を正確に捉え、前向きに学習する様子が見え始めています。また、ICT機器を活用していることで、振り返ったものを、教師は職員室で評価に、生徒は家庭で家庭学習に結ぶ付けられています。もちろん、無くす生徒もいないため、蓄積ができます。

2つの柱での取組が、生徒を「自考動型人材※」への導いてくれると確信しています。全職員で子供たち一人一人の「日々成長」に繋げていきたいと考えています。 ※自考動型人材・・・二ノ丸友幸先生の講話の中で出てきた言葉です。

日々成長を実感

校庭の桜もあっという間に若葉の季節となりました。新年度の生活も2週間を過ぎ、緊張気味であった子供たちの表情も、日に日に柔らかく明るさと輝きを見せ始めています。

先日は大変御多用の中、年度当初の授業参観・PTA総会・後援会総会・学年部会保護者会に御参加頂き、ありがとうございました。学年主任から学年作りの方針を伝え、担任からも説明があったと思います。保護者の皆様からも御意見を伺うことで、今年度の《共育》がスタートされたことと感じております。ありがとうございます。

PTA総会の時にもお話ししましたが、「みんなが『成長』できる那須中学校」~日々成長~①子供が「成長」する学校 ②教職員が「成長」する学校 ③保護者・地域も「成長」する学校を目指していきたいと考えております。2週間という学校生活の中でも、すでに子供たちの「日々成長」を実感することができています。いくつか紹介します。まず、3月30日(木)、新年度がスタートする前でしたが、生徒会執行部が主催して部活動ごとに校舎内外のトイレ掃除と校庭西側側溝の泥上げを行いました。おかげさまで、新年度、新入生を迎えて、校舎内のトイレの臭いがなく気持ちよく学校生活がスタートできています。次に、4月17日(月)の昼休みに行われた中央委員会(※)で、専門委員会(※)の再編が話題となっていました。生徒数に対して専門委員会の数が少なく、生徒一人一人の活動に繋がっていないという話が  生徒会長から説明がありました。昨年度の校則の見直し(ルールメイキング)に続いて、「生徒全員が過ごしやすい学校」に向けて新たな取り組みを行っています。自分たち自身の力で学校をよりよくしていこうという働きかけは本当に素晴らしいものです。

※中央委員会:生徒会執行部と各専門委員会委員長で組織する委員会です。

※専門委員会:これまでは、健康・企画・整美・学習・メディア・学年委員会の6つです。

そして、4月18日(火)・19日(水)の宿泊学習での1年生の取組です。1日目の「焼き板づくり」と2日目の「学級対抗スポーツ大会」を見学に行きましたが、一人一人が自分の思いを形にすべく集中して作品作りに取り組んでいました。また、各組ともに団結して楽しみながら勝利を目指して真剣に取り組んでいました。施設の方からも挨拶と話の聞き方が素晴らしいとお褒めの言葉をいただきました。

これからも様々な教育活動を通して、「日々成長」を目指していきます。

入学・進級おめでとうございます。

校庭の桜が4月初めに満開となり、例年に比べて暖かな新年度のスタートとなりました。新たな希望や決意、心地よい緊張感や感激、それらの新鮮な気持ちに胸弾ませて、輝くような笑顔と明るく弾む声で登校した子供たちが、新年度のスタートラインに立ちました。1年生のみなさん御入学おめでとうございます。2年生・3年生のみなさん進級おめでとうございます。1年生名を迎え、全校生名、学級で令和5年度がスタートしました。本校職員も名の新たな教職員も迎え、ONEチームで子供たちの成長を支えていきます。

私は、本校2年目となる戸村と申します。私は、「みんなが『成長』できる那須中学校」を目指して、めざす学校の姿を「子供たちが『成長』する学校、教職員が『成長』する学校、保護者・地域も『成長』する学校」、「日々成長」を合言葉に、今目の前にいる子供たち、そしてその御家族、地域の皆様が、10年後、それ以降の未来も笑顔で過ごせるような力を、子供たちに学校で育むことに責任をもちたいと考えています。引き続き、保護者・地域の皆様の御理解・御協力をよろしくお願いいたします。

昨日まで新しかったことが明日には古くなってしまうなど、科学や技術の進歩のスピードは想像以上に速く、社会の仕組みもどんどん複雑になっていきます。今回のコロナウイルスやウクライナ情勢のように、世界中を不安におとしめることが、今後も起こりうるやもしれません。そのような中で、子供たちは成長していきます。そのような社会を生き抜く子供たち、無限の可能性を秘めている子供たちが、夢や希望を持って21世紀をたくましく、たのもしく、生き抜くことができるよう「那須中での学び」を進めてまいります。その子のよさを見つける、よさを伸ばす、そしてよりよい成長の後押しをする、という「子供を主語に」が学びのコンセプトです。  

ようやくコロナ禍から日常の生活に戻ってきています。早速、1年生の宿泊学習が4/18(火)~19(水)に行われます。5/8(月)には、新型コロナの感染症法上の位置付けが5類に移行します。昨年度は、制限を設けていたスポーツフェスティバル5/20(土)も、多くの皆様に学校に足を運んでいただく機会となります。本校の教育活動に御理解・御支援をいただきたくお願い申し上げます。

進級おめでとうございます。「日々成長」ための取組を継続発展。

令和4年度「みんなが『成長』できる那須中学校」を目指す学校として、「日々成長」を合い言葉に1年間取り組んできました。子供たち自身のがんばりと保護者、地域の皆様の御支援のおかげで大きな成長を確認できる1年となりました。

3月11日の卒業式では、名の卒業生を送り出しました。そのときの在校生代表、さんの送辞の一部を紹介します。この内容は、2年生が力を合わせ作り上げました。

送辞一部抜粋

今、先輩方の頭の中には、那須中学校で過ごした日々の様々な思い出が懐かしく思い出されていることでしょう。私たちも、先輩方と過ごした学校生活が、まるで昨日のことのように思い出されます。

3年前、世界中に新型コロナウイルスが流行し始めた頃、新入生として入学した卒業生の皆さん。入学しすぐに2か月間の臨時休校になり、例年とは異なった学校生活を送ってきたとお聞きしました。勉強や部活動などでも、たくさんの不安を抱えていたのではないかと、察せられます。そんな中でも先輩たちは、いつも笑顔で、行事などでは、自ら盛り上げてくれました。その優しく頼もしい姿は、今でも私たちの心の中に刻まれています。

どちらの組も勝利を掴み取ろうと頑張ったスポーツフェスティバル。応援合戦では、短い期間の中一生懸命に練習している姿はとても眩しく、わからないところは丁寧に教えてくださいました。私たちは、学年を問わず親切に優しく接してくれる先輩方のようになりたいと思いました。

たくさんの人が笑顔になり、みんなで盛り上がった文化祭。先輩方のパフォーマンス力の高さに驚きました。有志発表では、先輩方を中心にたくさん盛り上がり、たくさん笑い合うことができました。

共に努力し、情熱を注いだ部活動。どんな時でも明るく、時には厳しく私たちを導いてくださいました。うまくいかない時や悩んでいる時は優しく寄り添ってくださいました。良いことも悪いことも一緒に味わい、一緒に楽しむことができました。大会やコンクールに向けて練習していく中で、常に前を向くその姿は、私たちに勇気をくれました。そんな先輩たちは私たちにとって一番の憧れです。

今日この卒業式を迎え、先輩方はそれぞれの新しい世界に向かって歩み始めます。私たちを導き、励まし、勇気づけてくださった先輩方。どうか、真っ直ぐに進みつづけてください。私たち在校生は、先輩方の那須中にかける熱い思いをしっかり受け継ぎ、新しい那須中学校をつくっていきます。

最後になりましたが、卒業される皆様の御健康とご活躍を心からお祈りして、送辞といたします。

 

しっかりと卒業生からのバトンを受け取ることができました。

「日々成長」のための取組を継続発展させていきます。引き続きの御支援と御協力をお願いいたします。

御卒業おめでとうございます。これからの未来に幸多きことを願って。

本校第8回卒業式、卒業生代表さんの答辞、校長式辞の一文を抜粋し紹介します。

答辞一部抜粋

卒業を迎える今、中学校での今までの活動のすべてが「生きる」ということにつながっていたのだと確信しています。それらは、教科の授業で学ぶ知識はもちろん、行事や普段の学校生活の中から学ぶ「仲間と何かをやり遂げる達成感」や「仕事を最後までやり抜く充実感」、「仲間の中で自分の居場所を見つける力」など、自分では気づいていないたくさんのものでした。

今日(こんにち)まで熱心にご指導下さった校長先生はじめ諸先生方、本当にありがとうございました。時には反抗してしまって御迷惑をかけたり、一緒に心の底から笑いあったりしたこともありました。どんなときも、厳しく、優しく、親身になって私たちを支えてくださいました。先生方は、何をするにもまず私たちを信じ、任せようとしてくださいました。私たちの成長のために、いろいろなことを経験するチャンスを与えてくださいました。私たち一人一人を大切に考えてくださっていたことを実感していました。先生方には、いくら言っても言い足りないほどの「ありがとう」の気持ちでいっぱいです。これからも先生方から教えていただいたことを心の励みとして、自分を磨いていきたいと思います。また、陰ながら私たちを支えてくださった事務長さんや学校栄養士の先生、用務員のさん、指導助手の先生方にも感謝の気持ちでいっぱいです。

在校生の皆さん。皆さんには私たちの姿がどのように映っていたのでしょうか。頼りない存在に映っていたかもしれません。委員会活動、部活動、行事…、私たち三年生にたくさんの力を貸してくれました。皆さんから教えられたこともたくさんありました。これからも先生方の教えを守り、学習や部活動にますます励んで下さい。

かつてこの那須中を巣立っていった多くの先輩方が築いてくださった伝統に、私たちの三年間の想いを込めたバトンを渡します。そして、三年間ずっと一緒に歩んできた七十三名の仲間。みんなで一緒にいられることは、今日が最後になると思うと、とても寂しいです。卒業することが悲しいのは、きっとみんながいてくれたからです。部活動でも行事でもみんなで協力しあえたからこそ成功を収めることができました。辛いときも、楽しいときも、いつも側にいてくれました。本当のことを言えば、卒業なんてしたくありません。いつまでも、みんなと一緒にいたいと思っています。でも今日でみんなとお別れです。みんなと分かち合った想い出すべてが、中学校生活最高の贈り物です。みんなと三年間一緒に学んでこられたことを、ほんとうに嬉しく、幸せに感じます。

式辞一部抜粋

自分自身で決めた進路、その道は様々ですが、未知の世界に対する不安や緊張感を、「自分で道を切り開いていくんだ」という高揚感に変えて羽ばたいてほしいのです。そこで、そのために心がけて欲しいお願いが二つあります。

一つは、「日々成長」の気持ちを持ち続けてください。自分自身としっかりと向き合い、昨日の自分よりも一つでも成長できるように、ものごとをポジティブにとらえていくことが大切です。そして、「言霊」という言葉があるように、言葉には良くも悪くも発した通りの結果をもたらす力があるとされます。マインドを正しい方向へ変えるためには、自分に対しても周りに対してもポジティブな言葉をかけることが重要です。

もう一つは、「失敗は成功の基」という言葉のとおり、何事にも失敗を恐れずにチャレンジしてください。これまでの正しいやり方であるとか、その決まった習慣にただ従事するだけではこれからの社会の変化に立ち遅れます。今の世の中で求められるのはスピーディーに転換・改善し、問題解決ができる力です。例えばフェイスブックやラインの新しい機能やサービスは、最初は穴だらけでしたが、利用者からのフィードバックを受けてどんどん改善するというサイクルを回しながら、結果的により良いものを生み出しています。それが今の社会の創造価値の在り方です。常に、創造する意欲をもってチャレンジしてください。そしてフィードバックしながら改善すれば良いとシンプルに考えて行動していってください。向けて計画・実践すること、そんな那須中学校をこれからも目指していきます。

御卒業おめでとうございます。卒業生名の未来に幸多きことを願っています。

1月行く、2月逃げる、3月去る・・・「運をつかむために」

2023年を迎え、多くの人が新年の目標を決めてスタートを切り、もう2か月が過ぎようとしています。年始である1月から3月は「行く逃げる去る」と例えられるように、忙しい日々が続きます。生徒の皆さん、目標設定に向けての取組は順調に進んでいるでしょうか。3年生は県内私立高校の入試を終え、「合格」を手にしています。私立高校を第一志望としている生徒の多くは自分の夢や希望の実現に一番合っていると決めた高校に入学する権利を得ました。コロナ禍で多くの制約のあった中、自らの力で勝ち取った「合格」の喜び、目標を達成した瞬間は、格別な思いだったことでしょう。「合格」おめでとうございます。次は県立高校を第一志望としている生徒の出番です。それぞれの目標達成に向けて最後まで努力を積み重ねていきましょう。

目標達成に向けて、お手本となるのがメジャーリーグ(アメリカの野球リーグ)で二刀流(投手と野手)を実行し、大活躍している大谷翔平選手です。大谷選手が高校1年生の時に書いた「目標達成シート(マンダラート)」は有名で、目標達成までの計画と実践によって今の活躍があるのだといわれています。マンダラートは右のような9×9の合計81個のマス目が書かれていて、中心にあるマスに自分が達成したい「大きな目標」を記入します。高校時代の大谷選手の大きな目標は「プロ野球8球団からドラフト指名される」でした。そこで注目されたのが、目標達成に必要な8つの要素の一つとして「運」を挙げているところです。大谷選手は「運」を勝ち取るためにも「あいさつ」「ゴミ拾い」「部屋掃除」「道具を大切に」「プラス思考」「応援される人になる」「本を読む」「審判さんへの態度」という具体策を書き込んでいます。メジャーリーガーとなった今でも、グランドのゴミを拾う場面がメディアでも取り上げられています。高校時代に「目標達成シート」で培ってきた習慣が、今でも身に付いています。目標達成のための積み重ねが、運を味方につけ、気がつくと大きな目標を達成することに繋がっています。日本のプロ野球でもアメリカのメジャ-リーグでも、二刀流を認め、挑戦させてくれる監督と巡り会っているのも、大谷選手が運を引き寄せつかむための取組を行ってきているからかも知れません。

3年生の廊下には、学年委員作成のメッセージボードがあり、中学校での生活が残りわずかとなってきています。目標達成のための取組に遅いということはありません。私の一つ年上である三浦知良さん(プロサッカー選手)が、ポルトガルでの新たな挑戦を決断しました。プロサッカー選手としての自己管理とモチベーションの維持、そして何よりサッカーに対しての熱い情熱に大きな影響を受けています。大谷選手や三浦選手から目標を達成するために必要なことを学んでみてはどうでしょうか。運は待っているだけ、神頼みではつかむことはできません。自ら引き寄せるものです。目標達成に 向けて計画・実践すること、そんな那須中学校をこれからも目指していきます。

「一年の計は元旦にあり」・・・本年もよろしくお願いいたします。

冬休み明け全校集会(オンライン)で生徒に伝えたことをお知らせします。

「一年の計は元旦にあり」の意味は、新しい年の計画は、年初めの元旦にきちんとたてなさい。そして、なにかを始める時には、計画をきちんと立てる必要があるということです。

皆さんは、この令和5年(2023年)をどのように過ごしていこうかと計画を立てたでしょうか。

私は、20歳の時から続けている年始めのルーティーンがあります。30年以上続けています。元旦にランニングを行い、1月2日には箱根駅伝の往路スタートと大学ラグビー準決勝を観戦しています。残念ながらここ3年、箱根駅伝はコロナの影響で見に行けていませんが。そして、今年自分が取り組むべきことを手帳に書くようにしています。今年もこのルーティーンを行い、2023年がスタートしています。

3年生の皆さんは、進路に向けて具体的な努力目標、「入試に向けてこういう計画で学習していこう。こんなふうに生活していこう。」ということを考えて、スタートし、4月からの新しい生活では「こんなことをしたい」という夢を持てていると思います。

1・2年生の皆さんは、どうですか。今の学年をどのように締めくくるか、そして進級してからの新しい学年では、どのような計画で、充実した学年にしていくか、考えていますか。「まだ計画など立てていない」と思った人は、今すぐ、どんな1年にしたいか思い描いてください。思い描くだけでは、何も変わりませんので、それに向かって何をどのようにするかという具体的な計画を立ててください。そして、計画したこと、やろうとしたことを少しずつ実践し始めてください。そうすれば、あなた自身のこれからの成長が、とても楽しみになります。

最後に、「1年の計は元旦にあり」という言葉が載っている中国明時代の「月令広義」(げつりょうこうぎ)という書物に載っている別の言葉も紹介しておきます。

「1日の計は晨【あした(朝)】にあり」(1日の計画は朝に立てるべきだ。)

「一生の計は勤にあり」(一生の計画は真面目に働くことで決まる。)

「一家の計は身にあり」(一家の将来は健康で決まる)

2023年が、皆さんそれぞれにとって、また那須中学校にとって、よい年になることを祈念します。 

 昨年は、生徒主体のスポーツフェスティバル、ルールメイキング(校則の見直し)の取組、一人一人が主役となった文化祭、水曜講座での新たな可能性の発見と、生徒の「日々成長」を身近に感じることができ、初めての校長として大変幸せな一年となりました。多くの皆さんの支えがあり、豊かなかかわりの中で生徒は成長してきています。その成長を止めることなく、さらに加速していけるように、教職員一丸となって新年度も取り組んで参ります。御理解と御支援を引き続きよろしくお願いいたします。

本校は、「振り返り(リフレクション)」に力を入れています。

本校では、「フォーサイト」という手帳を活用しています。

どんな環境でも自分の人生を切り拓いていくリーダーシップを身に付けるには「振り返りの力」が必要だと考えます。しかし、振り返りの力はすぐには身に付けられるものではありません。日々の繰り返し、積み重ねがあってこその振り返り力です。そのため、ビジネスマン向けの手帳を生徒向けにアレンジし、毎日使ってもらうことで、振り返り力をたかめるトレーニングができるようにしました。子供たちが振り返り力を高められるように、そして子供たちが主体的に自分の道を切り拓いていけるように、このような想いを込めて、フォーサイト手帳が誕生しました。フォーサイト手帳の「習慣化」により「振り返り力」は高まり、「振り返り力」の向上により主体性は育まれます。より多くの子供たちにフォーサイト手帳を活用していただくことで、激動の時代の中でも、自分の可能性を引き出し、自分の人生を切り拓いていただきたいと考えております。(フォーサイト関連記事より抜粋)

自分自身の目標達成や改善を考えるきっかけとして、フォーサイト手帳を使い、自分をコントロールします。

社会人の多くは自分のスケジュールを自分で管理します。本校で大切にしている自律を実現するためには、自分をコントロールするための練習が必要で、それを教職員は支援します。生徒はフォーサイト手帳を活用することで自分に合った学びを生徒自身で作り上げます。そこからは、学び合や協働的な作業もしたくなるような、子供自身の個別学習が進みます。

仕事をするときに、自律的にPDCAサイクルを回すことができる力があれば、自己管理ができる人物になれます。そのために日頃から、自分で計画し、実行できる力を身に付け、自律した生活ができるようになることが重要です。本校では、生徒自身が一日(24時間)の使い方や週単位、月単位の予定の計画ができるようになることを目標として、毎日、フォーサイト手帳を活用しています。一日の行動を「見える化」し、偏った時間の使い方をしていないか、無理や無駄がないかを確認するために、ゲームやSNSの時間も記入します。事実を書くことで、無駄な時間やすきま時間も見つかります。これにより、これまで活用していなかった時間の有効活用ができ、授業以外の勉強時間を作ることも可能になります。さらに、ゲームやSNSの時間も含め、優先順位を決めながら行動を選択できるようになります。また、書き方もいろいろであってよく、色の使い方や文字だけではなくイラストも使うなど、自分だけのフォーサイト手帳を作ることが大切です。

各教科の時間においても振り返り(リフレクション)に力を入れています。リフレクションで縦にも横にも学びに向かう力を伸ばしていきたいと考えています。《自走+協働=目指す生徒像へ》

縦:学び方を学ぶ。そのことで結果として自らの学びの質が上がる。自走できるようになる。

横:仲間の姿から学ぶ。他者の学び方から学ぶ。他者のコンテンツ理解から学ぶ。協働での学び。

実りの秋・・・チャレンジし続けた先のブレイクスルー(突破)

10月29日(土)、統合した那須中学校として8回目の文化祭。3年ぶりに全学級での合唱コンクールを入場制限を設けずに行いました。多くの観客に後押しされて、素晴らしい歌声が体育館中に響き渡りました。プログラム最後は、3年生が学年合唱「いのちの歌」で締めくくりました。思わず目頭が熱くなった場面でした。一人一人の満足した表情、初めての文化祭を精一杯楽しんでいる様子に心が和みました。学校に来て楽しかったと感じる、仲間と充実した時間を共有できた実感、そんな思いをつくることが学校にとっては大事だと考えています。午前中の有志発表の場にも多くの生徒がチャレンジしていました。元生徒会長の    さんは、幕間を盛り上げる一発芸を披露しました。その活動が大いに文化祭を盛り上げました。授業だけでは見られない生徒の様子を見ることができて、新たな一面を発見しました。きっと、私と同じ思いをもたれた保護者の方も多かったのではないかと思います。まさに学び多き・実りの秋となりました。当日は、コロナ感染症対策に御協力いただき、ありがとうございました。来年度の文化祭に今年度の成果を引き継いでいってくれると思います。

さて、今月下旬には2年生のマイチャレンジ(職場体験学習)がありました。3年ぶりのマイチャレンジ・職場体験学習でした。27の事業所の皆様に御協力いただき、11/16(水)~11/18(金)の3日間実施しました。中学校の教育活動で、大きな役割を担ってきた職場体験学習を行うことができて大変うれしく思いました。各事業所での活動で、自分自身の新たな一面を発見してくれることを期待しています。そして、自分自身が変わるターニングポイントとなることにも大きな期待を寄せています。

文部科学省では、キャリア教育が提唱された背景からその必要性と意義などを明記しています。

要約したものを紹介します。

子供たちが希望をもって、自立的に自分の未来を切り拓いて生きていくためには、変化を恐れず、変化に対応していく力と態度を育てることが不可欠。そのためには日常の教育活動を通して、学ぶ面白さや学びへの挑戦の意味を体得させることが大切である。未知の知識や体験に関心をもち、仲間と協力して学ぶことの楽しさを通じて、未経験の体験に挑戦する勇気とその価値を体得することで、学び続ける意欲を維持する基盤をつくることができる。自然体験や社会体験等の体験活動は、他者の存在意義を認識し、社会への関心を高め社会との関係を学ぶ機会となり、将来の社会人としての基盤づくりともなる。それには、学校の努力だけでなく、家庭・地域が学校と連携して、同じ目標に向かう協力体制を築くことが不可欠である。

また、経済産業省では、2006年に「社会人基礎力」を提唱しています。「社会人基礎力」とは、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されており、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」としています。

●前に踏み出す力(アクション)  ~一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力

●考え抜く力(シンキング)    ~疑問を持ち、考え抜く力

●チームで働く力(チームワーク) ~多様な人々とともに、目標に向けて協力する力

中学校教育で「生きる力」を身に付け、社会で通用する教育を進めていけるよう今後も努力していきます。

前期の「日々成長」から、「失敗よりも何もしないことを恐れろ」

10月13日(木)後期始業式。気持ちを新たに後期が始まりました。始業式で生徒に話したことを紹介します。

「『日々成長』するために必要なことは、チャレンジすること・チャレンジし続けることです。自分でチャレンジすることを決めて、それを積み上げていきましょう。その先には、ブレイクスルー(突破)があるはずです。」

10月14日(金)から始まった那須地区新人大会。新チームでこれまで積み上げてきたものを精一杯発揮していました。自分たちの望んだ結果につながらなかったかもしれませんが、積み上げていくことでその先にブレークスルー(突破)があるはずです。厳しい冬を乗り越え、3年生になってからの大会で結果につなげていってほしいと思います。

10月29日(土)那須中学校として8回目の文化祭。3年ぶりに全学級での合唱。入場制限を設けずに行います。多くの方に、学級ごとに取り組んできた(積み上げてきた)合唱を聴いていただきたいと考えています。会場内に椅子150席と立ち見席を用意しています。当日は混雑することも考えられますので、マスクの着用と入場の際の体温チェックと手指の消毒に御協力ください。

さて、表題の「失敗よりも何もしないことを恐れろ」は、本田技研工業(HONDA)の創業者である本田宗一郎さんの言葉です。正しくは「チャレンジして失敗を恐れるよりも、何もしないことを恐れろ」と言われています。失敗したらどうしようと考えてしまって、新しいことへの一歩を踏み出せないことはたくさんあります。それでも私たちは失敗から多くのことを学び、次の成長へとつなげることができるのも事実です。チャレンジする、そのための第一歩を踏み出してみる。そう考えただけでも少し前向きな気持ちになれます。

コロナ禍ではありますが、中学生の今しかできないことがいろいろあるはずです。生徒には新しいことにチャレンジする勇気をもって、まず第一歩をふみ出してほしいです。そうすることで新しい自分との出会いや発見があったり、これまでの自分よりも輝く存在になれたりするのではないでしょうか。これからも那須中生の「日々成長」を全力で応援していきます。

コロナ禍の中での旅行的行事の意味。「非日常」から「学び」へ

現在、新型コロナウイルスが蔓延し様々な自粛が強いられている中、感染リスクと安全性の担保のために大きな負担を抱えながらも多くの学校で修学旅行等の旅行的行事を実施しているのは、修学旅行等でしか得られない教育的効果があるからだと考えています。今後、時勢によって修学旅行等の内容や形態が変化し続けたとしても、修学旅行等の価値は変わらず、学校教育において重要な役割を果たし続けると思います。旅行的行事における「学び」は、通常授業の延長として事前事後学習を行い、その過程で生徒の「主体性」を育むこことが重要です。「非日常」的な経験が生徒の「学び」をより豊かなものにし、行事を通して学び方を学ぶことで、その教育効果はキャリア教育の醸成や価値観の形成、変化に関与する、教育的に非常に有意義なものであると考えています。

本校でも3年ぶりに京都・奈良への修学旅行を9/1~3で実施しました。それに併せて、1年生の宿泊学習、2年生の会津研修旅行も行いました。子供たちからのお土産話や学年だよりで、どのような活動を行い、どんな成長につながったのか確認していただければと思います。修学旅行の3日間、一緒に子供たちを見ていただいた添乗員の方からは多くのお褒めの言葉をいただきました。一つ紹介します。「夕食時、大部屋での会食の際に、スリッパをきれいに並べていました。あれほどきれいに並べている学校は初めてです。」私も玄関の履き物をそろえることは気にしているので、この褒め言葉はとてもうれしかったですし、子供たちの成長をしっかりと確認する場面でもありました。3日間大変お世話になりました。また、子供たちを送り出す準備をしていただきありがとうございました。

学校生活の中で、一人一人が「日々成長」していけるよう先生方と力を合わせていきます。今後とも御理解と御協力をよろしくお願いします。

失敗から学ぶは結果論。順風満帆に成長できるなら、それがベスト

「失敗から学ぶ」、「失敗は成長の糧になる」といった考え方があります。メジャーリーグで活躍している大谷選手は「それは結果論であり、基本的に失敗しないにこしたことはない」と言っています。以下は大谷選手の言葉です。「成長を実感できるのは、やはり物事がうまく進んでいるとき。日々の練習や試合を通じ、できないことができるようになったときです。そのほうが楽しいですし、その楽しさを実感し続けるのが(成長のために)大事なことなんじゃないかと思います。ですから、基本的には失敗をせず、順風満帆にいくのがベストなのかなと考えています。」2016年に日本最速165キロを出してもなお、大谷選手は課題を見出し、成長しようとしていました。最高の一日。最高の一年だったとしても、常に課題を見つけ、常に解決していけば、私たちはどこまででも成長できます。悪い時に改善することは誰もがやります。でも、最高のときは違います。ほとんどの人が改善せずに、満足してしまいます。その時こそ、大きな成長を遂げることができるのです。日本最速165キロを投げた時、大谷選手はこう言いました。「(165キロの感覚は)特に変わらなかった。投球のクオリティも低いですし、まだまだ自分で納得できる部分が少ない。もっと良くなる球が多いと思う。」最高のときでも、課題を見つけていました。だからこそ、今、メジャーリーグで素晴らしい活躍を続けているのです。1918年のベーブ・ルース以来104年ぶりとなる「2桁勝利、2桁本塁打」を達成しました。

3年生運動部の最後の大会・総合体育大会が終了しました。また、吹奏楽部の目標であった栃木県吹奏楽コンクールも終了しました。最高の結果から多くのことを学び次につなげていける部は、限られています。自分たちの目標としていた結果と違っても部活動を通しての「日々成長」を再確認し、できないことができるようになるための努力を続けていってほしいと思います。それを続けていくことが、自分自身の可能性を大きく広げていくことにつながっていきます。皆さんの更なる成長を期待しています。

子供を主語に・・・学校ルールの見直し

先日の親学習プログラムには、たくさんの参加をいただきありがとうございました。お陰様で、みんなが成長できる時間を作って頂きました。生涯学習課・かおり会の皆様にも感謝です。

さて、本校では「子供を主語に」を学びのコンセプトとして教育活動に取り組んでいます。先日のスポーツフェスティバルも生徒全員が楽しめる活動になるよう、実行委員を中心に企画運営を行いました。種目説明会を職員室で実施し、教職員にそれぞれの種目担当生徒がしっかりと説明することができました。そのこともあって、当日の子供たちの笑顔溢れる活動につながっています。

そして、本校では「子供を主語に」で、「ルールメイキング」にも取り組んでいます。「ルールメイキング」は学校の校則・ルールの対話的な見直しを通じて、みんなが主体的に関われる学校をつくっていく取組です。校則を見直したり、変えたりすることが目的ではなく、生徒や教員同士で対話を重ね、みんなの納得解をつくっていくプロセスを大切にしています。具体的には、髪型・靴下・靴を中心に、「生徒心得」の見直しを行っています。7/14(木)学校運営協議会での熟議①において、野中生徒会長が進捗状況について説明します。その後、試行期間を経て、正式に見直しをしていく予定となっています。ルール決定の過程を子供たちに返して、ルールを決めた自分たちの責任であると考えてほしいと思います。そして、それを教えることが主権者教育、シチズンシップ教育(※)を進めていくことにもなります。社会は自分たちがつくるもの、社会を構成する一員としての責任感を身につけさせる機会と考えています。※シチズンシップ教育:市民として必要な要素を備え、市民としての役割を果たせるようになることを目指す教育のことです。

下の写真は、生徒昇降口に掲示してある今年度の生徒会スローガンです。

マインドセット「やればできる!」の研究

 著書『マインドセット「やればできる!」の研究』(キャロル・S・ドゥエック)を知っていますか。2016年に発行されて増補改訂されている世界的ベストセラーです。学業・ビジネス・スポーツ・人間関係、成功と失敗、勝ち負けは、“マインドセット"で決まる。 20年以上の膨大な調査から生まれた、「成功心理学」の古典的名著で、 同じような能力でも一度の失敗で「もうダメだ」と落ちこむ人と何が失敗の原因かを考える人がいる、 問題がむずかしいとやりたがらない子、むずかしい問題ほど目を輝かせる子がいる、それらの違いは、どこからくるのか?能力や才能は生まれつきではないことを20年間の調査で実証した正真正銘の“成功者たちの心理学"です。その中で、「人間の能力は学習や経験によって伸ばせるものなのか、それとも、石版に刻まれたように変化しないものなのか。今、あなたがどちらの説を信じるかによって、あなたの未来は大きく変わってくる。

自分の能力は石版刻まれたように固定的で変わらないと信じている人:「硬直マインドセット=fixed mindset」

人間の基本的資質は努力しだいで伸ばすことができるという信念:「しなやかマインドセット=growth mindset」

「うまくいかないときにこそ、粘り強い頑張りを見せるのが『しなやかマインドセット』の特徴だ。人生の試練を乗り越える力を与えてくれるのは、このマインドセットなのである。とあります。また、本書の中で、著名な教育心理学者、ベンジャミン・ブルームが、「米国および他の国々の学校教育について、40年間にわたる綿密な調査を行った結果、まず第1に分かったのは、学習できる環境があるかぎり、世界中のほとんどだれでも能力を伸ばすことが可お能だということである」やればできるという信念を持って指導に当たった教師のもとでは、生徒の学力差がなくなっていった。それは、その教師たちが「できない」生徒の心をとらえて動かす方法を心得ていたからである。ともあります。生徒(子供)に関わる大人(教職員・保護者)によって、子供は成長していきます。子供たちのもっている可能性を最大限発揮できる関わりをしていければと考えています。

固定担任制から全員担任制へ

 本校では医療の世界における「チーム医療」のようなものを教育環境でめざしています。教員それぞれの能力や専門性を最大限に生かし、生徒たちにとってベストな環境づくりをチームで行います。生徒たちにとっては、枠にとらわれず誰にでも相談できる環境があります。相談したい内容によって、ベストなアドバイスをもらえることは、安心して学校生活を送ることにつながります。気軽に声をかけてもらえるように教職員も雰囲気づくりに努めていきます。                                                        

 その取組の第一歩である「ローテーション道徳」を、4/18(月)に全校道徳オリエンテーションとしてリモートで行いました。1 年 2 組で瀧澤洋樹教諭の説明・授業を各クラスに配信しました。サッカー部の 3 年生が積極的に発言をしてくれました。お互いに意見を交流させることで、多様な価値観を学ぶことへの楽しさを感じ取ることができました。「ローテーション道徳」とは、学年スタッフが年間の授業を分担し、担当する教材はそのままに実施クラスを週ごとに替える取組です。オリエンテーションの中では、教員で代わる代わる授業を担当するシステムやそのメリットの説明・授業の約束事などを確認しました。教師によって進め方や雰囲気が違うため、生徒にとって学ぶ機会が増えることが最大のメリットです。発言しやすい雰囲気づくりをするために、先生と生徒、全員でつくる授業だということを説明しました。                                                      

 また、3人組のトリオ学習を取り入れ、伝え合う活動が活発になるよう工夫しています。5月の連休後から「ローテーション道徳」の日には、その授業者が朝の会や帰りの会・給食指導を行うなどの担任業務を行っている学年があります。そこで生まれた関係性から、生徒が誰にでも気軽に相談できる環境を作っていければと考えています。

入学・進級おめでとうございます。

 様々な不安を吹き飛ばすかのように、新たな希望や決意、心地よい緊張感や感激、それらの新鮮な気持ちに胸弾ませて、輝くような笑顔と明るく弾む声で登校した子供たちが、新年度のスタートラインに立ちました。1年生のみなさん御入学おめでとうございます。2年生・3年生のみなさん進級おめでとうございます。1年生64名を迎え、全校生187名、9学級で令和4年度がスタートしました。

 私は、4月1日職員玄関前のプランターの花々と教職員の温かなもてなしに迎えられ、那須中学校の一員になりました戸村一郎(とむらいちろう)と申します。榎雅宏前校長の後任として、本校に着任いたしました。那須中学校のよき伝統を土台として教育活動の一層の充実を図り、教職員一丸となって子供たちの健やかな成長を支えてまいります。引き続き、保護者・地域の皆様の御理解・御協力をよろしくお願いいたします。私は、「みんなが『成長』できる那須中学校」を目指して、めざす学校の姿を「子供たちが『成長』する学校、教職員が『成長』する学校、保護者・地域も『成長』する学校」~日々成長を合言葉に、今目の前にいる子供たち、そしてその御家族、地域の皆様が、10年後、それ以降の未来も笑顔で過ごせるような力を、子供たちに学校で育むことに責任をもちたちと考えています。

 昨日まで新しかったことが明日には古くなってしまうなど、科学や技術の進歩のスピードは想像以上に速く、社会の仕組みもどんどん複雑になっていきます。今回のコロナウイルスやウクライナ情勢のように、世界中を不安におとしめることが、今後も起こりうるやもしれません。そのような中で、子供たちは成長していきます。そのような社会を生き抜く子供たち、無限の可能性を秘めている子供たちが、夢や希望を持って21世紀をたくましく、たのもしく、生き抜くことができるよう「那須中での学び」を進めてまいります。その子のよさを見つける、よさを伸ばす、そしてよりよい成長の後押しをする、という「子供を主語に」が学びのコンセプトです。  

 引き続きのコロナ禍で多々御不便をおかけすること、大変申し訳なく存じます。しかしながら、皆様におかれましては様々な機会に学校に足を運んでいただき、本校の教育活動に御理解・御支援をいただきたくお願い申し上げます。