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2本柱「シラバスとフォーサイト」の成果

5月号で本校の2つの柱、自己管理ノート「Foresight(フォーサイト)手帳」と授業内のねらいと振り返りの徹底を目的とする「シラバス」の紹介をしました。本校は今年度、「自律的に学ぶ力の育成~シラバスを使っての振り返りとフォーサイト手帳の取組」を学校課題研究として、栃木県連合教育会から指定を受け取り組んでいます。

新学習指導要領で、育成すべき資質・能力の1つに挙げられている「学びに向かう力、人間性等」。変化の激しいこれからの時代では、生涯に渡って自律的に学ぶ力がますます重要になってきます。自律的に学ぶ力を育成するためには、見通し・学び深める・振り返りの3つのステップを循環的に行っていくことが求められます。そのサイクルを確立するためには、どのような取組が有効となるのか。シラバスを使っての振り返りとフォーサイト手帳の取組から探っていくこととしました。

すべての教科において、タブレット端末でスプレットシートへの振り返りを行い、シラバスとして学校全体で取り組んできています。シラバスを活用することで、本単元本時の授業の見通しを持つことができ、課題に対してどのように取り組んでいくかを意識し、その方法を習得することで今後の課題に対して解決していくことができるようになってきました。積み重ねていくことで、主体的に学ぶことができるようになり、学力の定着、向上が期待できます。振り返りは、今日の授業で何がわかったか、分からなかったか、どんな課題にどんな風に向き合ったか、試行錯誤したか、こんな力が必要だと感じたなど具体的に書くことが大切です。

フォーサイト手帳の取組では、日々の学習管理能力の向上に向けて、お昼時間を5分短縮し、終学活で手帳を書く時間を10分程度作ってきています。終学活では持ち物や提出物の確認と、「帰宅後~翌朝までにやること」を記入させ、家では手帳を開いてチェックできる状態で管理するように指導してきました。

まだ始まったばかりですが、これまでの取組によって、振り返りに書かれる言葉が「~はできたが、〇〇はよく理解できない。」など、自分の理解度を言語化できるようになってきました。また、「家では~など」授業と家庭学習につながりが見られる生徒が増えてきました。さらに、空き時間をどう活用していくかを考えられるようになった生徒が増えてきました。終学活で手帳を書く時間をしっかり設けたことで、放課後何を勉強するか書けるようになったり、自由時間の使い方も自分で考えるようになったり、一人ひとりの自己管理力が上がってきています。

私たちが教育で目指すのは、教師が言ったからやるのではなく、将来、生徒が自分で考えて判断して、正しい行動をとれる力が身についている生徒を育成することにあります。たった5分でも毎時間継続し、単元の振り返りを行うことでメタ認知ができる生徒を育てていきたいと考えています。

※メタ認知・・・自分の認知活動を客観的にとらえる、

      つまり、自らの認知(考える・感じる・記憶する・判断するなど)を認知すること」です。