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学校だより

失敗から学ぶは結果論。順風満帆に成長できるなら、それがベスト

「失敗から学ぶ」、「失敗は成長の糧になる」といった考え方があります。メジャーリーグで活躍している大谷選手は「それは結果論であり、基本的に失敗しないにこしたことはない」と言っています。以下は大谷選手の言葉です。「成長を実感できるのは、やはり物事がうまく進んでいるとき。日々の練習や試合を通じ、できないことができるようになったときです。そのほうが楽しいですし、その楽しさを実感し続けるのが(成長のために)大事なことなんじゃないかと思います。ですから、基本的には失敗をせず、順風満帆にいくのがベストなのかなと考えています。」2016年に日本最速165キロを出してもなお、大谷選手は課題を見出し、成長しようとしていました。最高の一日。最高の一年だったとしても、常に課題を見つけ、常に解決していけば、私たちはどこまででも成長できます。悪い時に改善することは誰もがやります。でも、最高のときは違います。ほとんどの人が改善せずに、満足してしまいます。その時こそ、大きな成長を遂げることができるのです。日本最速165キロを投げた時、大谷選手はこう言いました。「(165キロの感覚は)特に変わらなかった。投球のクオリティも低いですし、まだまだ自分で納得できる部分が少ない。もっと良くなる球が多いと思う。」最高のときでも、課題を見つけていました。だからこそ、今、メジャーリーグで素晴らしい活躍を続けているのです。1918年のベーブ・ルース以来104年ぶりとなる「2桁勝利、2桁本塁打」を達成しました。

3年生運動部の最後の大会・総合体育大会が終了しました。また、吹奏楽部の目標であった栃木県吹奏楽コンクールも終了しました。最高の結果から多くのことを学び次につなげていける部は、限られています。自分たちの目標としていた結果と違っても部活動を通しての「日々成長」を再確認し、できないことができるようになるための努力を続けていってほしいと思います。それを続けていくことが、自分自身の可能性を大きく広げていくことにつながっていきます。皆さんの更なる成長を期待しています。

子供を主語に・・・学校ルールの見直し

先日の親学習プログラムには、たくさんの参加をいただきありがとうございました。お陰様で、みんなが成長できる時間を作って頂きました。生涯学習課・かおり会の皆様にも感謝です。

さて、本校では「子供を主語に」を学びのコンセプトとして教育活動に取り組んでいます。先日のスポーツフェスティバルも生徒全員が楽しめる活動になるよう、実行委員を中心に企画運営を行いました。種目説明会を職員室で実施し、教職員にそれぞれの種目担当生徒がしっかりと説明することができました。そのこともあって、当日の子供たちの笑顔溢れる活動につながっています。

そして、本校では「子供を主語に」で、「ルールメイキング」にも取り組んでいます。「ルールメイキング」は学校の校則・ルールの対話的な見直しを通じて、みんなが主体的に関われる学校をつくっていく取組です。校則を見直したり、変えたりすることが目的ではなく、生徒や教員同士で対話を重ね、みんなの納得解をつくっていくプロセスを大切にしています。具体的には、髪型・靴下・靴を中心に、「生徒心得」の見直しを行っています。7/14(木)学校運営協議会での熟議①において、野中生徒会長が進捗状況について説明します。その後、試行期間を経て、正式に見直しをしていく予定となっています。ルール決定の過程を子供たちに返して、ルールを決めた自分たちの責任であると考えてほしいと思います。そして、それを教えることが主権者教育、シチズンシップ教育(※)を進めていくことにもなります。社会は自分たちがつくるもの、社会を構成する一員としての責任感を身につけさせる機会と考えています。※シチズンシップ教育:市民として必要な要素を備え、市民としての役割を果たせるようになることを目指す教育のことです。

下の写真は、生徒昇降口に掲示してある今年度の生徒会スローガンです。

マインドセット「やればできる!」の研究

 著書『マインドセット「やればできる!」の研究』(キャロル・S・ドゥエック)を知っていますか。2016年に発行されて増補改訂されている世界的ベストセラーです。学業・ビジネス・スポーツ・人間関係、成功と失敗、勝ち負けは、“マインドセット"で決まる。 20年以上の膨大な調査から生まれた、「成功心理学」の古典的名著で、 同じような能力でも一度の失敗で「もうダメだ」と落ちこむ人と何が失敗の原因かを考える人がいる、 問題がむずかしいとやりたがらない子、むずかしい問題ほど目を輝かせる子がいる、それらの違いは、どこからくるのか?能力や才能は生まれつきではないことを20年間の調査で実証した正真正銘の“成功者たちの心理学"です。その中で、「人間の能力は学習や経験によって伸ばせるものなのか、それとも、石版に刻まれたように変化しないものなのか。今、あなたがどちらの説を信じるかによって、あなたの未来は大きく変わってくる。

自分の能力は石版刻まれたように固定的で変わらないと信じている人:「硬直マインドセット=fixed mindset」

人間の基本的資質は努力しだいで伸ばすことができるという信念:「しなやかマインドセット=growth mindset」

「うまくいかないときにこそ、粘り強い頑張りを見せるのが『しなやかマインドセット』の特徴だ。人生の試練を乗り越える力を与えてくれるのは、このマインドセットなのである。とあります。また、本書の中で、著名な教育心理学者、ベンジャミン・ブルームが、「米国および他の国々の学校教育について、40年間にわたる綿密な調査を行った結果、まず第1に分かったのは、学習できる環境があるかぎり、世界中のほとんどだれでも能力を伸ばすことが可お能だということである」やればできるという信念を持って指導に当たった教師のもとでは、生徒の学力差がなくなっていった。それは、その教師たちが「できない」生徒の心をとらえて動かす方法を心得ていたからである。ともあります。生徒(子供)に関わる大人(教職員・保護者)によって、子供は成長していきます。子供たちのもっている可能性を最大限発揮できる関わりをしていければと考えています。

固定担任制から全員担任制へ

 本校では医療の世界における「チーム医療」のようなものを教育環境でめざしています。教員それぞれの能力や専門性を最大限に生かし、生徒たちにとってベストな環境づくりをチームで行います。生徒たちにとっては、枠にとらわれず誰にでも相談できる環境があります。相談したい内容によって、ベストなアドバイスをもらえることは、安心して学校生活を送ることにつながります。気軽に声をかけてもらえるように教職員も雰囲気づくりに努めていきます。                                                        

 その取組の第一歩である「ローテーション道徳」を、4/18(月)に全校道徳オリエンテーションとしてリモートで行いました。1 年 2 組で瀧澤洋樹教諭の説明・授業を各クラスに配信しました。サッカー部の 3 年生が積極的に発言をしてくれました。お互いに意見を交流させることで、多様な価値観を学ぶことへの楽しさを感じ取ることができました。「ローテーション道徳」とは、学年スタッフが年間の授業を分担し、担当する教材はそのままに実施クラスを週ごとに替える取組です。オリエンテーションの中では、教員で代わる代わる授業を担当するシステムやそのメリットの説明・授業の約束事などを確認しました。教師によって進め方や雰囲気が違うため、生徒にとって学ぶ機会が増えることが最大のメリットです。発言しやすい雰囲気づくりをするために、先生と生徒、全員でつくる授業だということを説明しました。                                                      

 また、3人組のトリオ学習を取り入れ、伝え合う活動が活発になるよう工夫しています。5月の連休後から「ローテーション道徳」の日には、その授業者が朝の会や帰りの会・給食指導を行うなどの担任業務を行っている学年があります。そこで生まれた関係性から、生徒が誰にでも気軽に相談できる環境を作っていければと考えています。

入学・進級おめでとうございます。

 様々な不安を吹き飛ばすかのように、新たな希望や決意、心地よい緊張感や感激、それらの新鮮な気持ちに胸弾ませて、輝くような笑顔と明るく弾む声で登校した子供たちが、新年度のスタートラインに立ちました。1年生のみなさん御入学おめでとうございます。2年生・3年生のみなさん進級おめでとうございます。1年生64名を迎え、全校生187名、9学級で令和4年度がスタートしました。

 私は、4月1日職員玄関前のプランターの花々と教職員の温かなもてなしに迎えられ、那須中学校の一員になりました戸村一郎(とむらいちろう)と申します。榎雅宏前校長の後任として、本校に着任いたしました。那須中学校のよき伝統を土台として教育活動の一層の充実を図り、教職員一丸となって子供たちの健やかな成長を支えてまいります。引き続き、保護者・地域の皆様の御理解・御協力をよろしくお願いいたします。私は、「みんなが『成長』できる那須中学校」を目指して、めざす学校の姿を「子供たちが『成長』する学校、教職員が『成長』する学校、保護者・地域も『成長』する学校」~日々成長を合言葉に、今目の前にいる子供たち、そしてその御家族、地域の皆様が、10年後、それ以降の未来も笑顔で過ごせるような力を、子供たちに学校で育むことに責任をもちたちと考えています。

 昨日まで新しかったことが明日には古くなってしまうなど、科学や技術の進歩のスピードは想像以上に速く、社会の仕組みもどんどん複雑になっていきます。今回のコロナウイルスやウクライナ情勢のように、世界中を不安におとしめることが、今後も起こりうるやもしれません。そのような中で、子供たちは成長していきます。そのような社会を生き抜く子供たち、無限の可能性を秘めている子供たちが、夢や希望を持って21世紀をたくましく、たのもしく、生き抜くことができるよう「那須中での学び」を進めてまいります。その子のよさを見つける、よさを伸ばす、そしてよりよい成長の後押しをする、という「子供を主語に」が学びのコンセプトです。  

 引き続きのコロナ禍で多々御不便をおかけすること、大変申し訳なく存じます。しかしながら、皆様におかれましては様々な機会に学校に足を運んでいただき、本校の教育活動に御理解・御支援をいただきたくお願い申し上げます。