2本柱「シラバスとフォーサイト」の成果(2年目)
5月号で本校の2つの柱、自己管理ノート「Foresight(フォーサイト)手帳」と授業内のねらいと振り返りの徹底を目的とする「シラバス」によって成長をうながしていることを紹介しました。
新学習指導要領で、育成すべき資質・能力の1つに挙げられている「学びに向かう力、人間性等」。変化の激しいこれからの時代では、生涯に渡って自律的に学ぶ力がますます重要になってきます。自律的に学ぶ力を育成するためには、見通し・学び深める・振り返りの3つのステップを循環的に行っていくことが求められます。そのサイクルを確立するためには、どのような取組が有効となるのか。シラバスを使っての振り返りとフォーサイト手帳の取組から探ってきました。2年目の成果として、様々な方から子供たちの成長ぶりをお褒めの言葉でいただいています。
学校HPでも紹介しましたが、先月本校で行われた3つの活動から子供たちの成長ぶりを紹介します。
11/19(火)那須町学力向上推進委員会で3年2組瀧澤先生の理科の授業参観された先生方からは、「子供たちが主体となって学び、子供たち同士が本時の課題について熱心に協議していることから、学習内容の理解が深まっていることが確認できました。」
11/26(火)那須地区数学部会秋季研修会で3年1組大平先生の数学の授業参観された方からは、「グループ内にも中心になる生徒がいて教師のファシリテーターからの指示を生徒が理解し、積極的に活動していたことが素晴らしいと感じました。また、グループ全員が理解できるように協議していたのも印象的でした。」
11/29(金)3年生の金曜スペシャル講師の渡邉貴雄様からは、「廊下での皆さんの挨拶に始まり、お話をさせて頂いている際の生徒の皆さんの真っすぐな姿勢、目線を合わせてくる姿、メモを取っている姿、積極的な質問と、ビックリの連続でした。普段のビジネスの現場でも、ここまでポジティブなエネルギーを感じる事はないので、私の方がインスピレーションを皆さんから頂いた気分です。」
もちろん、高校入試に頑張っている3年生にとって、目の前の成績が気になるのは分かりますが、大切なのは「これからの社会で生きていくために役立つことは何か」ということです。学力という言葉を考えるとき、この熟語の個々の要素、つまり「学ぶ」と「力」の間に言葉を補う必要があると思います。教室で学んだり本を読んだりして得た知識は「学んだ力」です。これに加えて、学んだことを組み合わせて活用できる「学ぶ力」も必要です。もう一つ重要なのは、「学ぼうとする力」です。今はまだ十分な力を持っていない人でも、学習意欲が高ければ、その人には大きな将来性があります。社会の場面では、学ぼうとする力を持っている人が強いのです。「学んだ力」「学ぶ力」「学ぼうとする力」の3つを合わせて学力だとする考えがあります。生きるための学力とは何かということでしょう。学びを押し付けるのではなく、子供の学びや関心に応じて学びを深めていけるように授業をデザインしていく。教員には、コーディネーターあるいはファシリテーターとしての役割が求められます。
子供たちと共に私たち教員も成長し、生きるための学力をしっかりと身に付けていけるような環境を整えていきます。